第46 話 僕も一応は男王なので努力をしてみようと思います? (4)
そう僕が高校の体育の授業で習った剣道のことを思い出して、映画やドラマ、アニメ、マンガ、ライトノベルに出演する主人公さま達の真似をして、『えい!』、『やぁ!』、『とぉ!』、『とりゃぁあああっ!』と剣術の稽古……。
それとこの世界には、《《サンドバッグ》》と呼ばれる物がないから、僕は木の幹に縄を巻き──。まあ、かなり痛いけれど。そこへと向けて空手の正拳突きと前蹴り、横蹴り、回し蹴りの練習……。自分の拳や足の甲や裏の皮も厚くする訓練……。
まあ、その他にもさ、木に縛った縄を引っ張る、柔道の背負い投げ、一本背負い、体落とし等……。
僕が何となく高校の授業で習ったことやSNSの動画サイトで視聴したものを、自分の記憶の片隅から思い出しつつ、自己練習していることを説明すれば。
「ふむ」
「なるほど」
「健ちゃん、凄いじゃない」と。
最後にサラちゃんが僕の頭をヨシヨシと優しく撫でてくれた。
だから僕は嬉しい~! 頑張って努力してよかった~! と心から思う、じゃなくて。
僕自身が一番辛いこと……。僕の身体中にできた青、赤痣や擦り傷、切り傷の説明を始めるのだった。
◇◇◇




