第43話 僕も一応は男王なので努力をしてみようと思います? (1)
「えぃ!」、「やぁ!」、「とう~!」
僕は食事用や湯殿用に集めた薪の中から細い木を使用して、高校の授業で習った《《剣道》》を記憶の片隅から思い出しながら、神殿の裏にある生え立つ樹木に向かて、異世界冒険譚の主人公さま達のように自分自身が少しでも強くなりたいから。
僕は御妃さま達に内証で棒切れを振り上げ──振り下ろし、樹木を叩く、剣術の練習を始める。
だって僕のことを領地──集落の老若男女問わず《《駄目国王》》……。《《駄目領主》》……。
そう、この領地の女王であり、一族の長であるアイカさんの庇護下でなければ何もできない男……。もうそれこそ? 御妃さま達に、こんな未開のジャングルで捨てられれば一人で生きていくこともできない紐男であり。髪結いの亭主ある僕だから……。
今の情けない男王の僕は老若男女問わず陰口の対象だから。僕は少しでも強くなって領地のみんなを見返してやりたい思いがある。
だから僕はもう領地内のオークの漢戦士達から気弱に逃げることも辞めようと思っている。
またそうするためには僕自身も心身共に強くならないといけないと思う。
だから僕は前方にある樹木に向かって──!
「面ー!」、「胴ー!」、「小手ー!」
僕は荒々しい声を上げて叩く……。
そうがむしゃらに叩いたのだ。
僕の口から「くそ!」、「くそ!」、「歯痒い!」、「歯痒いな!」、「何で僕はこんなに弱い者なんだー!」と荒々しく叫びながら、剣術の稽古を始めた。
そして腕立て伏せに、腹筋運動も始めた!
しかしこう言ったものは、日々の鍛錬の積み重ねだから、僕が練習を始めたからと言って直ぐに努力の結果がでる訳はないから。




