第39話 洗濯屋健ちゃん? (14)
僕はいつも仕方なくウルハさん率いるオークの傾奇者達の衣服もアイカさん姉妹やウルハさんの物と御一緒に洗う……。
まあ、最初は嫌々と首を振りながら洗濯屋や屋敷の掃除をしていた僕だけれど。日本での家の家は、両親は僕の学費や塾代を稼ぐために共働きだったから。
家の家事はできるだけ僕が進んでいていたから、掃除機の無い箒での掃除や床拭き用のウェツトも無い状態での雑巾での床拭き……。洗濯板を使用した洗濯の方も最初こそ扱いに馴れないので戸惑い、狼狽していた僕だった。
でも馴れてしまえば家事経験のある僕だから楽しく……。
そう、最初は嫌がり、拒否を示していた僕だけれど、ウルハさんを含めてこの領地、集落の、オークの王族の令嬢さま達だからね。僕自身も本当にアニメやマンガ、ライトノベル主人公達になった気分でね。《《悪役令嬢さま》》ってこんなもんだよな? と思えば。
アイカさん達によく似た容姿端麗の美女令嬢さま達ばかりだから、僕自身も楽しくなって、ウルハさん達、ヤンキーの姉ちゃん達と和気藹々と洗濯や掃除をしていると。
何故か僕はオークの男性よりもよい主人でよい国王……。
もしかすると? 前王、パパ、伯父さん、爺さんよりもよい夫なのでは? と僕の噂が広がり。
今まで僕が王さまだとしても距離をとっていたみなさんの好感度も上がり。
『ウルハさん達ありがとう~。僕はこれで領地の人達に溶け込むことができるから寂しい思いをしなくて済むよ……』
と、彼女達にお礼を告げ。
(持つべき者は友達だな……)
僕は浮かれながら感謝! 感激だ! と思っていれば。
「あんた~、妻への夫の義務はこれだけではないんだからね~」
ウルハさんは自分の口の端を吊り上げ──ニタリと妖艶に微笑みながら僕に告げてきた。
「えっ!」
だから僕は驚嘆するけれど。
その後は彼女達に捕獲され、人気のない場所へと連行される日々が続き、僕はアイカさん達の夫でもあるから疲労困憊……。
僕は毎日くたくたな日々を過ごすようになる。
だが僕の主夫としての人気は凄いから。僕へと好意を持つ人はこれで終焉ではなく。




