第36話 洗濯屋健ちゃん? (11)
「「「「「…………」」」」」
しかし、あの時の主夫の人達はウルハさんに、自分に不満があるならば告げてこいと言われてもみなさん直ぐに下を向いた。
だってウルハさんはこの集落の傾奇者であっても、この集落の族長──。女王さまであるアイカさんやその他の妹達と母親が違うだけの前王の実娘であり、お姉さんだから集落内では身分も高い上に、オークの社会は《《女尊男卑思想》》の社会だから、男性達は前王の息子達以外は意見をすることも不可能だから、みなさんは直ぐに下を向いて黙り込んだ。
僕はその様子を呆然としながら見詰め大事なことをウルハさんに尋ねるのを忘れて、また後日お爺さんは洗濯へといくために集落内の畦道のような足場のよくない道をドナドナと歩きながら。
「はぁ~、今日も奥さんが五人もいるのに僕は洗濯か……」と嘆き。
「僕が産まれた日本では考えられないことだよね。男性が主夫をするのって……」
と、僕は不満も漏らし終えると。
「う~ん、でも今頃は奥さんが妊娠をすれば旦那さんも産休して主夫業をするとか、SNSの動画サイトで言っていたような気がするな……?」
僕は日本で暮らしていた頃のことを思い出すと。
「う~ん、主夫業がなければ、何の仕事もしないオークの男性達は自然と働き者の奥さんのために家の家事……。男性達が主夫業を自然とするようになり。それがオーク種族の決めごとみたいになったのかな?」
僕はブツブツと独り言を呟きつつ歩いていると。




