第26話 洗濯屋健ちゃん? (2)
(うぅ、ううう。何で僕が洗濯物をしないといけない訳……? 僕本当に洗濯物を洗いにいくのは嫌だ! 勘弁して欲しい!)
と、お婆さんの役をするはずの四人が仕事を放置するから不満を漏らしつつ、嘆く僕なのだが。
う~ん、実はね? 僕が今までに何度か説明をしたと思うけれど?
オーク種族と言うのは、僕の産まれ育った日本の男尊女卑思想とは違い逆の女尊男卑思想だから、男女が結婚すれば夫が家事をするのが当たり前のことだと説明をしたと思うけれど?
その家事の中には日本と同じく洗濯も含まれていてね。男は結婚すれば、自分の子ををお腹に宿し、産んでくれる奥さまを労りつつ家事をして尽くさないと。
女性ハーレムでもあるオーク種族だから、直ぐに奥さまが他の男性に寝取られをされ、捨てられるのだと、僕は奥さま達四人からこんな説明を受けた。
「──健ちゃんがあんまりサラ達に対して尽くしてくれないと。他の男に盗られても知らないよ。ねぇ、お姉達~?」
「……うん、サラの言う通りだ、健太! わらわに愛想つかれたくなければ。洗濯へと行ってこい!」
僕はサラちゃんとアイカさんに余り我儘ばかりを言っていると捨てるぞ! と脅されたことがある。
だから僕は「えっ!」と驚嘆した。
そして二人へと『えぇ、ええええええっ! そんな~~~?』と不満を告げようとすれば。
僕に甘いエリエさんが直ぐに。
「サラと長は、ああは言っているが。私は御方一筋だからそんな事はないのだが。洗濯は特に夫が必ずしないといけない事だから。御方お願いする」と。
僕のことが好きで仕方がないエリエさんが、捨てたりしない、浮気もしない、だけど洗濯だけはお願いすると。夫である僕へと深々と頭を下げれば。
「私もエリエ姉さまと同じで、あなたと別れる気はないから。そんなことはしないけれど。それでも洗濯は特に男性の義務だから、おねがい」と。
プラウムさんは可愛く僕に両手を合わせながら、脳内が蕩けそうな甘い声音で嘆願をしてきた。
『へい、わかりやした。奥方達……』
僕がエリエさんとプラウムさんの嘆願を聞き了承したと告げようとしたら。
「ああ、二人とも汚いよ! サラだって、健ちゃん一筋だもん! 浮気だってしないもん!」
サラちゃんもエリエさんやプラウムさんと一緒で僕一筋だと告げ、浮気等しない! 只僕のことを脅しただけだと、自分の顔色を変えながら言い訳をしてきた。




