第195話 敗走者達の帰還(2)
「うん」とヤマの説明を聞き、一番の古参の将軍らしい。
ミノタウロスのおじさん、セキさんが頷けば。
「儂等がパニック状態になっている所を敵の小数だが、強力な魔法が使える部隊の奇襲に合い。このざまだよ。皆に退却の指示を出して、カイジさんの躯も回収出来ぬまま。城郭迄戻って来たと言う訳だよ。健太……」
「うぅん。戦だからしょうがないよ。みんなが悪い訳ではないから気にしないで」と。
僕は自身の首を振りつつ、配送してきたみんなへと気にするなと告げ。
「カイジさんは、どんな感じで他界をしたの?」
僕が自身の周りに集うメンバー達へと尋ねると。
「何処からともなく敵の矢が飛んできて。その矢が領主様の頭に刺さり。そのままカイジさんはミュイから落馬……。俺が慌ててミュイを止め、カイジさんの遺体を担ぎ上げようと下馬しようとしたら。敵の銅鑼の音と怒声が沢山……。それも百や二百どころの声ではなく。数千ぐらいの敵兵の怒声が聞こえてきたから。俺達も含め兵達はパニックだよ」と。
ヤマが僕へと教えてくれた。
(千以上の兵士の声って一体どう言うこと?)
僕はヤマの説明を聞き、瞬時に、自身の脳内で呟く。




