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第193話 決意!(5)
「健太~」
「先生~」
「若~」
と、呼びながら頼ってくるけれど。
まだ僕はあいつ!
そう、ウォンには!
僕がタイマンを挑んでも勝てない!
どうしても種族の差がでる。
まあ、でるのだけれど。
僕は今度は、自分の物は必ず守る!
守り切ってみせる!
僕の領民と妻、家族達は必ず守ってみせる!
僕はそのために強くなったんだ! と思えば。
何となくだが、僕はアイカが自分の一族のことを。
夫の僕を蔑ろにしてでも守護したかった気持ちも少しは理解ができるぐらいは大人になった気がするよ、と。
僕は思えばね。
自身の遠いい目の先──!
こちらへと向かってくる砂煙……。
怪鳥ミュイが駆ける時にだす砂煙……。
それが味方の物か、敵の物なのかは、僕自身もわからないけれど。
「長槍は構え……。敵ならば、ミュイの進路妨害をおねがい……」と。
僕は重々しい声音で長槍隊へと指示をだし、弁慶のように僕は橋の上で仁王立ちをする。
◇◇◇




