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第184話 凶報(3)
「それはよかった」とか。
「健太さん~、抱っこ~」
「健太さん愛してします~」など。
フェイン以外の女性達が、僕へとしな垂れ、優艶に甘えつつ、怪我の完治を祝い始めると。
この領内の筆頭お妃さまは、僕の妻フェインの母であるルイジさんではなくて。
以前から沢山のアクセサリーを着衣して、煌びやかに着飾っている通りで。
フェインがこの領内の女王さまだから。
「もう、母さん達は、私の健太に甘えないでよ。私は健太の正式な妻なのに全然甘えていないのだから。私の健太には今触らないでぇ! 私の後にしてよ!」と。
フェインは我が家の家長が正式に決めた僕の妻でもあるから。
このような不満を漏らす日々が、カイジさんが今回の敵となる新しく見つけた集落を襲うために出掛けてから二日経った。
そんな日々の中で僕は、お妃さま達の言い争いを苦笑いを浮かべつつ、横目でチラリと見ながらも。




