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第172話 頑張ったから結果がでた(3)
「そうか~。そりゃ、残念だな」と。
カイジさんは肩を落とすけれど。
直ぐに我に返り、僕のことをニヤリといやらしく笑いながら。
「健太は本当に固いな……」告げ。
「まあ、その方が、あいつらも喜ぶのだろうけれど。わっ、ははは」と。
戦利品の女達……。
敵の集落の麗しい妃や娘達を連れて大きな屋敷へと入る。
それから僕達が戦後処理を終える数日間は。
その大きな屋敷から出てこないけれど。
この集落の御妃さまや姫さま達の、大変に大きな嬌声や掠れ声、鳴き声だけは。
休む間もないぐらい聞こえてくる。
だからみんなで、「家の領主さまは、本当に元気がいいよね」と。
僕達は臣下の者達は大笑い、高笑いをおこなうけれど。
元々傭兵あがりのカイジさんだから、臣下の者達がなれ合いをしてきても。
彼は全く気にもしない。
豪快なところがあるから。
人としては悪くはない。
僕のような情けない者でもちゃんと評価をしてくれと。
僕はわかっているから。




