第156話 やはりこの世界は可笑しい(1)
この領地にきてから僕は本当に忙しい日々を送っているよ。
僕は夜明けと共に起きて、フェインが用意をしてくれた朝食を食べれば。
自身の身体の鍛錬をおこない。
それが終われば、カイジさんに町の中央に作ってもらった学校みたいな建物で、勉強や絵を教え。
その後は町のマルシェと言っても露店のような感じのお店立ち並ぶ場所だけれど。
そこで僕はトラブルがないかを見て回る。
特にこの領内には食品、衣料、雑貨を取り扱う商人──。
そう、よく僕の産まれ育った日本の異世界ファンタジーなアニメ、マンガ、ライトノベルに出演するような商人たち──。
僕達の世界で言う問屋さん、仲買の商人の人達はいない。
だから他の領地からきた商人の人達は、自分達が興味を持ったもの。
自身のお店で売ってみたいと思う物を見つければ。
露天で販売をしている個人事業者から直接商品を購入、仕入れると言った感じのシステムだから。
僕が以前説明をした通りで。
計算も遅く、ウィングルの文字がわからない人達が多々なので。
僕やフェインが、そんな現場を見つけると仲介に入り。
書類や利益計算に目を通して、亜人の人達を侮っている人種の商人達が酷いこと……。
そう、僕の住み暮らす町の個人事業主を騙していないか、確認して回っているよ。




