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第137話 肖像画(2)
「よーし! その男を火にくべろ!」
王さまから、僕の周りにいる者達へと下知が下される。
だから僕は、自身の真横で。
僕を見下ろすように見詰めている姫さまへと向け、慌てて口を開く。
「ちょっと! ちょっと待ってくだい! 姫さま~! ちょっと待ってください! 僕の話しを聞いてください! お願いします!」
僕は、今日だけで何度目になるかわからない?
最後の力! 火事場の馬鹿力を発動して叫んだ!
すると姫さまは?
「父さん! ちょっと待って! 待ってくれる! この子まだ私に話しがあるみたいだから。私最後に聞いてみる」と。
姫さまは僕のことを今直ぐ、火の中にくべるのではなく。
僕の話しを、もう一度を聞いてくれると言いだした。
だから僕は、(はぁ、よかった)と安堵すれば。
これで僕は姫さまと、最後の戦いができる準備が整ったと思うから。
(よーし! がんばるぞ!)と。
これも今日だけで、何度目になるかわからない。
僕自身の最後の決意をおこなうと。




