第130話 絶対絶命! (3)
だって僕の肢体の至る所が痛くて仕方がないから。
僕自身、少しでも気を抜き、安らぎを求め。
自身の瞼を閉じれば。
僕の目は再び明かないぐらい。
僕の意識は朦朧としているけれど。
僕の口から断末魔のような命乞い。
「助けてぇ! 助けてぇ! 何でもするからぁ! お願いだよ!」と。
喚き、吐くから。
僕は美少女の下知にて。
自身の周りにいる男達から殴る、蹴るの、暴行を受け続けている。
それでも僕は彼女の目を見て嘆願した。
いくら嫌われようとも。
この集落の王さまの周りには。
異世界情緒溢れる色々な種族の若い女性が立ち並んでいるけれど。
あの美少女が絶対に王さまのお気に入りだと。
僕は悟っているから。
彼女だけに嘆願をし続けた。
「僕のことを助けてください」と。
それに僕は、こんな言葉も咄嗟に加え叫んでみる。
「お願い、王さま! お妃さま達! 僕のことを助けてください!」、
「……僕は武も力もない男ですが~! 実は絵を描くことができる文化人なのです~!」、
「僕は文字だって書けます~! 計算だって得意です~! そして戦の策を考えることが可能な軍師でもあります~!」と。
僕は、自身の声が枯れるくらい叫び。
「僕は異世界からきた人間でぇ~! 仕官先を探して旅をしている最中だったのです~! だから僕のことを助けて、召し抱えてみてはどうですかぁ~? 僕は必ず、貴方達の役に立ってみせますからぁ~。頼むから僕のことを食べないでぇ~! 生かしてください~!」と。
僕は最後の力を振り絞り。
異世界情緒溢れる美少女に涙ながら嘆願した。
まあ、これが駄目なら僕もいよいよ最後……。
彼女、彼等の胃袋いきだと思う。
◇◇◇




