第111話 期待! (1)
(あぁ~)
僕は先ほどと打って変わり、無言状態が続いています。
だって僕がいくらミノムシ、コロコロではないけれど?
必死に声を大にして叫びながら抗い続けようが。
僕の足にかかった草の弦を加工してできた縄の罠は外れてくれない。
だから僕自身も段々と大声を出し、抗うだけの、体力の方が無くなってきた。
それと、僕自身が己の死が近いことも悟りだしたから。
ああ、僕は切ない。
今日で僕の人生が終焉を迎えるのならば。
僕はもっと奥さん達……。
と、言っても?
アイカのバカ以外の三人……。
エリエやプラウム、サラにもっと甘えたかったな。
そう、三人に僕は膝枕に、耳掻き、オッパイ挟みにモミモミをしていれば良かったな……。
ああ、やっぱり、アイカの阿保のもだ。
アイツは裏切り者だから。
ガル、ルルル! と呻りながら。
あちらこちらを噛みついてやればよかった。
僕の歯型がつくぐらい。
「はぁ~、でも、マジで切ないなぁ。未練も残るなぁ」と。
僕はついついと四人のことを思い出し、嘆きを漏らせば。
奥様達四人の、肌の感触と温もり。
それと、ホンノリとした甘い香りを。
僕は自身の脳裏で走馬灯が回るように思い出し、妄想に耽る。
「ああ、マジで、マジで、切ないよ……」
だから僕は更に嘆きを漏らすのだが。
もうそろそろ、僕の身体も限界かな?
だって時間の方も、あれからかなり経っているから。
逆さ宙ぶらりん状態の、僕の頭には血が下がり、溜まっているためか?
実はもう、僕の意識は朦朧……。
気持ちも悪い。
吐き気もするから。




