第109話 罠(3)
その都度僕の口から。
先ほどのような『うぎゃぁ。あああっ!』と絶叫! 断末魔が上がる度に。
『こらぁっ! 家の健太に何をしているー!』と、アイカの奴や。
『家の御方を食い殺そうとしている、貴様等~! お前等皆殺しだ~!』と。
エリエが怒声を放ちつつ助けてくれたり。
「いや~、あなた~。あなた達は、みなごろしよ~」
「家の健ちゃんに何をしているの~?」と。
プラウムが絶叫を上げつつやぁ。
サラが呻りつつ魔法攻撃で全部駆除──。
まあ、僕が死んだ場合は、シルフィーの阿保が普通に。
そう夫婦の営み無しで、僕の身体に手を触れ、起こしていたみたいだけれど。
ウォンの乱の時に、あのバカは、夫婦の営みをして起こしたらしいけれど。
シルフィーの奴が何故、あんな行動に出たのかも、いまだに謎なのだけれどと、僕は説明したけれど。
あいつらのこと……。
特にアイカのことは、もうどうでもいい。
僕はアイツが大嫌いだ!
あんなサレ女、ビッチ女など。
僕はどうでもいい。
それに今はこれ! この状態だよ!
そんな軽い体重の僕だから。
いくら宙吊り状態で抗おうが。
僕は只、ミノムシのように揺れているのが精一杯……。
マジで辛いです……
僕の頭、脳内、意思が飛び、ボォ~としてくるのに。
僕はこんな悲惨な状態にも関わらず。
浮気をしたサレ妻の、アイカの顔を思い浮かべてしまうから。
本当に情けないと言うか?
元妻によく調教をされた。
まあ、何と律儀な犬なので御座いましょうか。
僕は思わず自戒しつつ嘆く。




