第102話 離婚(5)
でも先ほど僕が告げた通りで何もかもが、もう既に遅い。
遅すぎるから。
「アイカ、お前なんかぁ~、僕についてこなくていい! 僕自身、いつ寝首を搔くかわからないような女と。僕は一緒に暮らしていきたくはないから……! それに僕がこの姿で集落に帰還をしてみろ! 僕が先ほどお前等二人に告げた通りだ! お前等二人は、集落の者達に殺されるぞ! だからお前等から見た他人である僕が出ていく!」と。
アイカに告げた。
そしてウォンへとまた視線を変え僕は。
「ウォン!」と呻りながら名指しで呼び──。
今度はアイカへとまた視線を戻せば。
僕は殺意のある目で睨みつつ。
「そしてアイカ! お前等二人のことは僕は絶対に許さない! 必ず殺してやる! だから僕は絶対に死なない! お前達二人……だけじゃない。僕のことをさんざん馬鹿にして虐めてきた。あの集落の者達……。お前等二人の大事な一族を必ず根絶やしにしてやるからな。首を長くして待っていろ! アイカとウォン」と。
僕はアイカに呪いを含んだ言葉を吐いてやった。
お前達をみなごろしにするために、
僕はまた再び戻ってくるから心配するなとね。
だから僕の罵声を聞き、呆然としている二人が我に返り。
僕の後を追っかけてきたらいけないからと。
僕は只今、この薄暗いジャングルの中を目的もなく、駆け抜けている
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