第101話 離婚(4)
「あれは言葉のあやで、あの男があなたのことを余りにも殺す! 殺してやる! 共闘して殺そうと必要以上に告げてくるから。わらわは告げただけで本心じゃないの。だからわらと別れる、捨てるなんて言わないでぇ、あなたぁ~。お願いだから許してください」
それでもアイカはこの通りで、また凝りもしないで、好きでもない相手である僕へと許しを乞うてくるから。
先ほど僕はアイカにさ、涙を流しつつ。
「お前なぁ、アイカ! 自分が酋長でいたいからって。好きでもない相手である僕にへりくだり謝罪をしてくるなよな」と告げ。
「それに僕はお前が。僕以外の男にヒィヒィ言わされ鳴き、嬌声を漏らしながら。あいつと嬉しそうに。優艶に抱き合い、重なりあっている姿を見らされているんだぞ! そんなサレ妻と一緒に暮らせる訳はないだろう。僕はそんなお人好しじゃないし。他の男の子を育てるようなバカじゃないから。アイカ! お前のことはもういらない! ウォンのところへいけ!」
僕はアイカへと嫉妬心だけでなく、憎悪も込めて告げた。
でもアイカの奴は、「嫌々、あなたと別れたくない。集落を出てくのならば、わらわもついて行く」と。
アイカは阿保だから、今更のように告げてきた。




