第99話 離婚(1)
「うぅ、ッ、ううう、いッ……」
重症だった僕の意識が何故か戻った。
だけどさ、先ほどではないにしろ、僕の身体の至る所が痛いから。
僕が悲痛な表情で呻り声を漏らすと。
まあ、この通りだ。
「あ、あなた、大丈夫?」、
「未だ身体が痛い?」、
「わらわの回復魔法では、これが限界だから家に帰りましょう……」、
「そしてプラウムかサラに直してもらいましょう。だからもうお家に帰りましょう……」、
「そうすれば、あなたの傷も全部癒し、治るから。身体の痛みも全部無くなるから。わらわとお家に帰りましょう。ねぇ、あなた……」
アイカの奴は僕を膝枕した状態で、今までにないくらい。
本当に優しく微笑みながら柔らかく告げ、乞うてきたよ。
僕達家族の愛の巣だった神殿から出て行くと、荒々しく告げた僕に対して乞うように告げてきたよ。
離婚をほのめかした僕に対して、ビッチなサレ妻が遠回しに。
自分の過ちを許して欲しいと嘆願してきた。
でッ、アイカが戯言を漏らし終えると。
何とか僕の気持ちを引き留めたいアイツは。
ぼんやりとアイカの顔を見詰めている僕の顔へと優しく微笑みかけながら、自身の顔を近づけてきたよ。
僕のなにも握り、動かし、大きく、硬くさせながら。
アイツの言葉に対して無反応でいる僕に対して最終手段……。
女を武器にしながら、先ほどの悪しき行為を許して欲しいと乞うてきたからね。
僕は「やめろ! アイカ!」と怒声を吐きつつ。
自身の腕で慌てて僕の口を隠し、上半身を起こした。




