第96話 二度目の抗い! (3)
僕がアイカにこんな罵声を吐けば。
ウォンの奴は。
「クソガキ! 煩い! 黙れ! お前はしゃべるな!」
と、罵声を吐きつつ、更に僕の身体を踏み、蹴るから。
「はぁ~! ウォン! 貴様! 誰に向かって煩い! 黙れだって! 他人の妻を寝取った間男の癖に! お前等は頭が弱いから知らないだろうけれど? 僕の世界ではお前等二人がした不倫は、犯罪行為と余り変わらない行為で、ちゃんと法で裁き、僕への賠償金が生じるから。お前等二人は僕に財産を渡さないといけないのだぞ! 知っているかぁ? ウォンは屋敷しかないだろうから、お前の屋敷だ! アイカはあの神殿と、あの集落を僕がもらうかな?」、
「あっ、ははは」と。
僕は泣きながらだけれど。
気が振れたように高笑い。
僕のことを不幸にしたウォンとアイカの奴を嘲笑うから。
「煩い! クソガキ! 死ねぇ!」
ウォン口から怒声が吐かれ、僕の華奢の身体中を蹴る、踏むが続くから。
僕の間男への、男の意地をかけた抵抗! 抗いはここで終焉を迎える!
だって僕の意識はまた遠のいていく。
そんな最中に。
「ウォン! もう辞めて! お願い!」
「わらわの健太に酷い事をしないで、お願い」や。
「あなた、もう二度とこのような事はしませんから、お許しください」
「あなた、わらわを捨てて集落から出て行くなんて言わないでお願い。お願いします」とか。
「許して、許してください。あなた……」と。
先ほどから何度も僕の耳へと聞こえる、アイカの泣きながら、へりくだり謝罪をする声と様子が。
僕の瞳と耳に少しだけ映り、聞こえたような気がしたと思う?
◇◇◇




