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第92話 嘲笑い! (2)
それも自身の両目からポロポロ涙を流しながら。
これで本当にお別れだ。
(アイカ、サヨウナラ)と。
(僕の初恋サヨウナラ)とを。
僕は自身の心の中で泣きながら呟き、元妻へと最後のお別れを告げる。
だって僕の罵声を聞いたウォンは真っ赤な顔──。
鬼のような形相をしながら僕の嘲笑い、罵りを聞いていた訳だから。
「うぉおおおっ! このクソガキがぁ! 言いたい事を言いやがってぇ! 俺達の世界では、これが普通だぁ! 気に入らないのならばぁ! 俺達の集落から出ていけぇ! クソガキがぁ!」
ウォンは憤怒! 怒声を吠えつつ、自身の拳を振りかざし、僕へと猪突猛進してきた。
だけど僕も男だ!
自分の妻をウォンに寝取られた訳だから。
僕にも意地がある!
ここで引き下がる訳にはいかない。
「ああぁ! ウォン! 心配しなくても、あんな集落から出て行ってやるよ! そしてアイカ……。自分の兄と平気で近親相姦するようなビッチ女など! お前に、のしつけてくれてやるよー!」




