第89話 泣き叫びと嘆願(3)
ウォンの奴は本当に頭が弱い……。
そう、前回のウォンの乱でのあいつへの罰、償いは。
アイカの側にもう二度と近寄らないが条件だったのにあっさりと破り。
ビッチと二人仲良くお昼の情事を楽しんでいた癖に。
ウォンの奴は自身の犯した犯罪の件をすっかり忘れ。
アイカの夫、男王にでもなったつもりで、アイツに告げると。
その後は僕を見下しながら嘲笑い始めだした。
だから僕は、シクシクと泣く行為を辞め。
「ウォン……。そしてアイカ……。お前等何か勘違いをしているのではないか? 僕が集落に帰還をして、集落の者達に。男王である僕に謀反をしたウォンとアイカを殺せと指示をだせば。お前等二人は直ぐにみんなに殺されるぞ……。なぁ、アイカ? 君はそうだと気がついているよね? だから先ほどから気が触れた様子を装いつつ、僕に命乞いをしている訳だから……。僕がこのまま怒りをあらわにしながら帰宅をすれば。今度こそ、僕の妻達が、いくらアイカが妹や姉、従姉妹であろうとも今度こそ、君の息の根を止めることは間違えないから」と。
僕はアイカに対して今度は冷淡な目でケラケラと薄ら笑いをしつつ。
アイカとウォンへと死亡宣告を告げてやった。
するとさ、今まで、自分があの集落の男王になった気分でいたウォンの顔色が、面白いように急変──。
緑色の肌が真っ青に変わったから。
今度は僕がウォンのことを見下し、笑ってやったよ。




