第87話 泣き叫びと嘆願(1)
「いやぁ~、お願い。許してあなた~! あなたに相談もしないで先走ったわらわがわるかったわ~。お願いあなた~。許してください……。二度としません。しませんから。わらわの事を捨て、シルフィーの所へ行くなんて言わないで~。お願いします。あなたぁ~、頼むからわらわの事を捨てるなんていわないで~。お願い! 今後何でもあなたの言う事を聞きます。だからお願い許してください」
僕はアイカの奴に最初はね。
アイカと離婚をし、シルフィーの許へと身を寄せると泣きながら告げた。
するとアイカの奴はこの通りだよ。
アイツは地面に平伏しながら涙を流しつつ、僕に許してくれと嘆願をしてきた。
でも僕は、自分以外の男相手に平気で、気持ち悪く、嬌声漏らすようなビッチな妻はいらないからと告げたら。
アイカの奴はこの通りだ。
気が振れたように泣き叫びつつ、自身の頭を何度も下げながら僕に許しを乞うてきた。
でも泣き虫の僕は、アイカに言いたいことを言えば。
「クソ、クソ……。歯痒い。歯痒いな……」と。
愚痴のような不満を漏らしつつ、またシクシクと男泣きを始めたから。
アイカの奴が気が振れたように泣きつつ、この度の件をチャラ……。
無かったことにしてくれと乞うてきても無視しながら泣き続けた。




