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第76話 男女の声? (2)
(さてさて、このまま、地面に這いつくばり、聴く耳を立てていても仕方がないか?)
僕は自身の脳裏で呟くと。
自身の身を伏せ、四つん這いのままで。
この場を立ち去ろうと心に決めた。
だから這いつくばったままで匍匐前進ではなく。
そう僕は、匍匐後進を始め、そのまま器用に後ろへと。
僕は勇気ある後退を始めだした。
「駄目よもうあの人がいるから……」
(……ん? 女性?)、
(あれ? 今確かに、女性の声もしたような気がする?)、
(……と、言うことは? 人って二名いるのかな?)
まあ、僕はこんなことを思った。
先ほどね。
だから僕は一名でも不味いと先ほど思っていたから。
新たにもう一名追加となると、更に僕の危険度が増してくる。
だから僕の脳裏に。
(死! 死!)、
(見つかれば完全に殺されてしまう……)、
(だから不味い! ヤバイ!)、
(ヤバイよ、ヤバイい。殺される)と思いながら。
僕は後ろにさがる。
匍匐後進をズルズルと始めた。
◇◇◇




