第73話 果樹採集(3)
だから僕も二人のことが少し心配で気になるから。
ここが日本ならばいいのになぁと、思った。
だってここが日本ならば二人に、『病院へといっておいで!』と告げれば済むこと。
解決することだと僕は思った。
でもここは日本のような近代的な世界ではなく、異世界……。
それも僕の産まれ育った日本で流行りの中世のヨーロッパを手本にしたような世界観ではなく。
卑弥呼さまが居た頃のような太古のジャングル世界だから、尚更病院などはない。
だから僕は朝起きると二人のことが心配で。
アイカとプラウムの寝顔を交互に見て確認をとっているのと。
二人が朝目覚めたら直ぐに。
「アイカ! プラウム! 二人とも今日は体調の方はどうかなぁ?」
僕は優しく微笑みかけながら尋ね。
二人の体調を確認している。
それは今日の朝もした。
「……ん? 大丈夫、あなた」
「はい、別にどこも悪い所はないですよ、健太さん」と。
アイカとプラウムも僕に優しく微笑みながら。
今日の体調は良好だと告げてくる時もあれば。
「今日は気だるい、あなた……。だから抱いておくれ……」
「健太さん、体調が優れません。抱っこ……」と。
二人は体調不良を訴えてくる時もある。
だから僕はその都度。
「ああ、そうなんだ」とか。
「大丈夫、二人とも?」と尋ね。
「今日はゆっくりとして寝ているように。わかった、二人とも?」と告げる日もある。
でッ、最後に僕はいつもアイカとプラウムに。
「二人とも、食べたい物があれば言ってね。僕が用意ができる物ならば採取の方はしてくるから」と。
優しく告げた僕だから。
そんな訳もあるので、プラウムに頼まれると嫌だと断れない。
だから僕はプラウムに頼まれたモンゴーの実を夫として必ず持って帰らないといけないクエストをこなしている最中なのだが。
僕が少し気になるのはアイカの奴、今日の朝僕に体調不良を訴えかけたのに。
アイツ狩にでかけたみたいだけれど。
本当に体調の方は大丈夫なのかな? と。
僕は思いつ空を眺め。
「 よーし! 頑張るぞ!」と。
自身を叱咤しながら、更にジャングルの奥──。
鼻歌交じりで先へ先へと、空を見上げつつ、進んでいく僕だった。
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