第61話 蘇生魔法(2)
「アイカ姉さまは健太さんのことが嫌いなのでしょ。だからしなくてもよろしいです。もう二度と健太さんには触れないでください。今後は私達が健太さんの、身の回りのお世話をしますから。アイカ姉さまは、今血だらけのウォンの怪我の治療でもしたらどうですか?」
プラウムの奴はアイカに対して、僕の身体に二度と触れるなと。
あいつらしくない低い声でアイカへと僕ではなく、ウォンの許へといけと告げたらしいけれど。
アイカは自身の首を振りつつ。
「プラウム、わらわは家のひとが好き。愛している。子供だって欲しいと思っている。この気持ちは嘘偽りではない。わらわがいくら酋長だと言っても、女なんだよ。わらわだって、家のひとの事が好きだから。普通に嫉妬ぐらいはするし。それが憎悪に代わる事だってある。それにわらわも止めようとはした。でもわらわが動揺、困惑している間に。次から次へと事が進んだから対処ができなかっただけで。家のひとが嫌いで見殺しにした訳ではないの……」と。
アイカの奴はポロポロと涙を流しつつ、プラウム達に説明をしたらしい。
自分は妹達、義理の母、姉、従姉妹達に対して嫉妬した。
だから僕に対して少し意地悪をした。
それがこんな酷い事になるとは夢にも思わなかったのだと。
だから気が動転した。
どう対処してよいかわからない間に。
僕が息を引き取ってしまった。
だから更にパニックに陥ってしまったのだと。
だから僕の妻らしく振る舞わせて欲しいと嘆願したらしい。
「ふん、じゃすれば」
プラウムは、なんだかんだ言っても、姉のアイカのことが好きだから最後に折れたらしい。
◇◇◇。




