第三章あらすじ&登場人物紹介
<あらすじ>
リルカの記憶を探しにフリジア王国へとやって来た一行は、そこでこの国の王族の一員である姫――フィオナに出会う。
所属する大学に戻る為に護衛を探していたフィオナと利害が一致したクリスたちは、彼女の目指す「アムラント大学」まで同行することとなる。
無事にフィオナを大学まで送り届けたクリスは、そこで自身に良く似た容姿を持つ少女「イリス」と出会う。イリスがこの体の本当の持ち主「レーテ」の妹だと知ったクリスは、「いつか必ず姉を連れてくる」とイリスと約束を交わす。
リルカの記憶の手掛かりを探す最中にクリスたちは、クロムというエルフの少年を見つける。
彼の師事する錬金術師ルカの家で知ったのは、リルカの正体がルカによって作り出された魂を持たないホムンクルスだという残酷な真実だった。
錯乱したリルカはその場から逃げ出し、リルカを解体しようとするルカと反発するテオは一触即発の状態に陥る。
だがその時大学が魔物の襲撃に晒されているという報が入り、テオとクリスはそちらの救援に向かう。
フィオナと共に騒ぎの元凶を追い詰めたクリスたちは、糸を引いていたのがかつてホムンクルスを率い自分たちを襲撃した男「ベルファス・クロウ」だという事を知る。
ベルファスの残した瘴気の塊を浄化する為に、クリスは突如頭の中に浮かんできた強力な神聖魔法を使い、浄化に成功する。
一方逃げ出したリルカは風の大精霊「シルフィード」に出会い、自身が彼女の娘であり、ホムンクルスに宿った精霊だという事を思い出す。
覚悟を決めたリルカは海からやって来たホムンクルスの集団とたった一人で戦い。最後に自爆攻撃でホムンクルスの集団の殲滅に成功するが、体が砕け散ってしまう。
リルカを失い悲嘆に暮れるクリスたちだが、錬金術師ルカの手によってリルカの体は再生し、無事にクリスたちとの再会を果たす。
療養中のリルカの為に買い出しに出ていたクリスとヴォルフは、そこで仮面をつけた謎の集団に遭遇する。
自分を狙ってきたのだと直感的に理解したクリスは、逃げる途中に錯乱して崖から落ちてしまう。だがクリスが落下したのは、崖下ではなく一面の雪原だった。
わけがわからず近くの小屋に入り込んだクリスはそこへやって来た兵士たちに捕えられ、自分がどうやら遠く離れた地に飛ばされてしまった事を悟るのであった。
<登場人物>
【フィオナ・アルスター】
フリジア王国の王族の一員であり、継承権を持つ姫。見た目は15才ほどの少女に見えるが、エルフであるため実際は既に成人済みである。
大学では魔法道具の開発を中心に、様々な研究に着手している。
【イリス】
クリスによく見た容姿を持つ少女。クリスの元の体の持ち主「レーテ」の生き別れの妹であり、いつか姉が迎えに来てくれると信じている。
【コゼット・ディオール】
イリスの面倒を見ている女性。おっとりした性格の優しい女性で、大学では精神学の教授を務めている。
【クロム】
クリスたちが出会ったエルフの少年。錬金術師ルカの弟子であり、自堕落な生活を送るルカの面倒を見ている。
見た目は10才ほどだが、実年齢は37才である。
【ルカ】
かつては大学随一と言われた錬金術師だが、現在は森の奥深くに引きこもり自堕落な生活を送っている。
10年前に起こったとある事件によって大学を去った。リルカをはじめとしたホムンクルスの生みの親とも呼べる存在である。
【ベルファス・クロウ】
かつて鉱山でクリスたちを亡き者にしようとした男。各地でホムンクルスを操り悪事を繰り返している。元はルカと同じ錬金術師であり、10年前にルカの元からリルカをはじめ多くのホムンクルスを奪い利用している。




