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転生龍は人と暮らす  作者: くらいさおら
第三章 王都ガルジア
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86.ギルド初依頼

 ナルチアが乙女の尊厳の危機を脱し、ほうほうの体で王都に戻ってから七日が過ぎたこの日、龍平は王都ガルジオン近くの森林地帯に来ていた。

 森林地帯といっても、ただの森ではない。


 基本、王族以外の立ち入りを禁じた狩り場だ。

 普通であれば、立ち入っただけで死罪となりかねない危険な森だった。


 そんな物騒なところになぜいるのかといえば、依頼されたからに他ならない。

 当人すらすっかり忘れていた、冒険者ギルドからの魔獣の調査依頼だった。



 ことの起こりは、雪がようやく溶け始めた春まだ明けきれない頃。

 御料森監督役の男爵家が、春の巻狩に備えた下見にきたときだった。


 この年人跡未踏の雪の上に、不審な跡がないかの調査だ。

 大小様々な獣の足跡に混ざり、見たこともない雪を貫くような鋭い歩行跡を見つけた。


 どう見ても獣ではない。

 どう見ても獲物でもない。


 少なくとも、安全な狩りの対象ではない。

 御料森監督役アリスト・ラ・カナーリィはそう判断した。



 焦りと共に王城へと戻りながら、彼は国軍を束ねるリパロス・デ・ラトゥーレ・エリン伯に助力を求めることを決意する。

 伯がエリン領に戻る直前に捕まえなければ、男爵家の細い伝だけで対処しなければならなくなるからだった。


 幸いにも伯はまだ王都ガルジアに滞在していたが、不確定情報だけで軍を動かすわけにはいかない。

 かといって、御料森の調査は誰がやってもいいというものでもない。


「カナーリィ卿、軍は動かせん。だからといって放置するわけにもいかんなぁ……ミッケルに相談してこい。あいつなら、なんとかするだろ。あの少年とドラゴンを抱えてるんだ。陛下もダメとは言わんだろ」


 迂闊に軍の斥候部隊を動かし、政敵に挙げ足を取られる原因など作りたくもない。

 ついでにいえば、帰り際に面倒ごとは御免だった。 


 ラトゥーレ・エリン伯との面談を打ち切られたカナーリィは、国境での警備や街道警備の実績を充分過ぎるほどあげている、王城切っての武闘派法衣貴族に面会を求めた。

 そして、いくつかの策謀に巻き込まれながらも、協力の快諾を得ることに成功した。



「リューヘー君、そんなわけでギルドへ行ってくれないかね」


 幻霧の森から戻って四日目の午後、王城での昼食後に執務室で顔を会わせたミッケルが唐突に言った。

 満面に湛えた笑みは、口答えなど許さんと言っている。


「はい? いえ、あの……どんなわけなんでしょうか? いや、断るなんてしませんけど……断れないんでしょうし……」


 端から抵抗など選択肢にない龍平は、それでも理由くらいは知りたかった。

 事前情報のあるなしは、交渉ごとがあるならば必須だ。


──承ったわ、卿。リューヘーをギルドに連れて行けばいいかしら?──


 レフィは躊躇いもなく了承する。

 そういえば登録してたっけ。忘れてた。


 思い出せばセルニアでギルドに登録はしていたが、それはレフィの暫定的な立ち位置を確保するためだった。

 とりあえずの衣食住は保証されていたので、仕事をする機会も必要もなかったせいでそのままになっている。


 今も衣食住は保証され、賠償金という名の収入も確保されていた。

 一応ミッケルの仕事を手伝ってはいるが、それはアルバイトのレベルにも達してはいない。


 そろそろ労働もしなければ、龍平はぬるま湯にふやけていくだけだ。

 彼の世界へ還すため、この世界と往還するため、気合いのひとつも入れなければとレフィは考えていた。


 そんなところへのギルド行きは、レフィにとって渡りに船だった。

 すっかり姉さん女房の思考ですな、トカゲ姫。


「指名依頼だよ、リューヘー君。とりあえず午後の仕事はいいから、さっさと行ってきたまえ」


 龍平がレフィに絡む前に、ミッケルは先手を打つ。

 もちろん、ここでの乱闘を防ぎ、面倒な説明を省くためだ。


 身内と言ってもいい貴族が、半ば保証した指名依頼だ。

 ならば謀略などの危険などあるはずもなく、あとはギルドで聞けばいい。


 危険な依頼を嗅ぎ分ける嗅覚は、いずれ磨けばいい。

 もっとも、騎士爵に叙爵された身分で、今後ギルドから依頼が来るとは思えないが。



「ごめんください。指名依頼と伺ったのですが」


 龍平が訪れた王都ギルドは、昼下がりののんびりとした雰囲気に包まれていた。

 もちろん、一日中のんびりとしているわけではない。


 朝早くには依頼を受けるために大勢の冒険者たちが集まり、騒がしいなかでその取り合いや受付が行われている。

 夕闇が迫る頃には依頼を完遂、もしくはしくじった者たちが再度集まり、喧騒のなかで成果の報告や報酬の受け渡しが行われる。


 そのあとは酒場に繰り出す冒険者たちを見送った職員たちが、その日の成果を取りまとめ、後世のために記録していく。

 時おり交わされる言葉以外は静謐に沈む事務所のなかは、羊皮紙の上をペンが走る音で占められているのが常だった。


 龍平が事務所を訪れた時間は、時おり来る新たな登録者や依頼、その他の仕事で上層部との会合ために来る客が主だ。

 この時間帯はほとんどの受け付け担当にとって、昼休みの延長のような時間帯だった。


「いらっしゃいませ。失礼ですが、お名前と登録証をお願い致します」


 普段から荒くれの冒険者たちを相手にしているとは思えないほど、丁寧な態度で受付嬢が対応した。

 もちろん、この日のために回された事前情報で、龍平が騎士爵であることは知っている。


 だからといって、正式な先触れがないのであれば、応接室に通すなどの特別扱いはしない。

 普段と変わらぬ初めての客への対応を、受付嬢は努めいてた。


「はいっ! こ、こちらをっ!」


 龍平は満面の笑みで、登録証を渡す。

 憧れだったもんね。うっきうきだね。


 その直後、太ももの裏側を小さな赤い龍のしっぽが叩いた。

 先に注意しといてやれよ、トカゲ姫。


「っあっ!? なにしやがるっ!?」


 思わず顔をしかめ、龍平はレフィを睨み付けた。 

 さすがに乱闘は自重したか。


──このお莫迦。立場を弁えなさい──


 短い叱責が飛んできた。

 あとでもっと叱ってやってください、姉さん女房のトカゲ姫。


 たしかに、龍平の態度は誉められたものではない。

 たとえ騎士爵でなかろうともだ。


 舐められたら終わり。

 力と暴力が絡んでくるこの業界で、無駄にはしゃぎ回るなどもっての他だ。


 勉めてふんぞりかえることも、時には必要だ。

 卑屈であることも、戦術のひとつだろう。


 だが、短慮の上に、はしゃぐなど、周囲から軽く見られるだけだ。

 そして、仮にも騎士爵にある者が、ギルドの受付嬢を前に握手会に来たドルオタのような態度など、許される振る舞いではなかった。


「ぉ、おう。失礼しました。リュウヘイ・デ・クマノ・フレケリーです。今日は指名依頼と伺っていますが、どのような内容でしょうか?」


 レフィの叱責に気づき、態度を改めた龍平が訊ねた。

 この世界の常識からすればまだ下手に過ぎるが、傲慢にふんぞり返るよりはましだろう。


「はい、確認させていただきました、クマノ様。早速ですが説明させていただきます」


 龍平の醜態など、まるでなかったかのようにさらりと流す。

 さすが、百戦錬磨。


──お気遣い、ありがたく。お願いするわ──


 叱責だけではなく、フォローもしっかりと。

 貴族階級の振る舞いを、レフィは龍平に示していた。



「それでは、説明に移ります。まず、クマノ様へのご依頼は、御料森監督役アリスト・ラ・カナーリィ様からでございます。内容でございますが、詳しくはこちらをお読みいただくとして、簡単に申し上げれば御料森に出現した正体不明の動物の調査でございます」


 カナーリィ家の蝋封を施されたスクロールを渡しながら、受付嬢は説明を続ける。

 一から十まで説明していては、いくらなんでも業務が回らない。


「了解しました。ですが、御料森に我々が入ってもいいのでしょうか?」


 御料森がどのような存在か、さすがに日頃からのレクチャーで知っている。

 王族の狩り場。もしくは遊び場。


 あまりいい印象がないのは、スポーツとしての狩猟が文化として残らなかった日本人故か。

 龍平にとって狩猟とは、動物の命を無駄に奪う無益な殺生としか思えなかった。


 もちろん、この世界においても日本を含む現代地球世界であっても、職業としての猟師を否定する気など更々ない。

 また、害獣駆除をヒステリックな感情論で否定する気も、欠片もない。


 ただ、スポーツを含む遊びとして動物の命をもてあそぶことに、龍平は強烈な忌避感を抱いていた。

 気持ちは解るけど、異文化は異文化として認めようね。


 嫌ならやらなきゃいいんだからさ。

 もっとも、お付き合いもあるから、全部逃げられる訳じゃないけどさ。

 そこは大人になるしかないね。


「はい。監督役様がご同行なさいますし、建前として王族のかたもご同行なされますのでご安心を」


 さらりとご安心できない台詞がでてきたな。

 その辺も含めての指名依頼ですかね、ミッケルさん?



「なんだか今、聞き捨てならない言葉が聞こえた気がしましたが?」


 龍平はあくまで笑顔を絶やさず、受付嬢に問いかける。

 絶対聞き間違いだと、自身に言い聞かせながら。


「え? 監督役様がご同行なさることに、なにか」

「違う。そのあとっ」


 しらじらしい受付嬢の言葉を食い千切り、龍平は語気を強める。

 決して脅そうとか怒っているとかではなく、聞き間違いだと言ってほしくて。


「クマノ様。お役目の監督役様はともかく、クマノ様が御料森に入るには、建前とはいえ、王族のどなた様からかご招待いただいた、という形を取らなければなりません故。仕方のないことと、お諦めになったほうがよろしいかと。ここはひとつ、栄誉だとお考えください」


 無情にも、受付嬢の言葉は真実だった。

 そして、この指名依頼を断るという選択肢もないことが、言外にたっぷりと含まれていた。


「はぁ、分かりました。受託します……はえっ!? ちょっ!?」


 諦めと共に承諾した龍平は、最初に手渡されたスクロールの封を切る。

 フォルシティ邸に戻ってからゆっくり読んでもいいが、後回しにすればするほど封を切ることが面倒になるとわかっていた。


 ざっと目を通し、内容を把握する。

 御料森に出現した動物の正体を見極めるということは、今説明された。


 そのあとに駆除までが依頼なのかを確認し、それがないことで胸を撫で下ろす。

 だが、打ち合わせの期日を見た瞬間、龍平はすっとんきょうな声をあげてしまった。


 もちろん龍平が知るはずもないが、巻狩までの日に余裕がない。

 さらにはエリン伯の帰領予定も絡むとなれば、仕方のないことだった。


「どうかなさいまして?」

──どうかしたのかしら?──


 受付嬢の声とレフィの念話が重なった。

 まさか、王族の同行者がかなりの上位なのか。そんな疑問を含んでいる。


「い、いや。打ち合わせなんだけど、今日の夕食時にカナーリィ家で、だって」


 一応騎士爵として恥ずかしくないだけの装いでギルドを訪れているが、夕食に招待されるとあってはこのままでいいわけがない。

 一度フォルシテイ邸に戻り着替えたうえで、手土産を揃える必要があった。


 つまり、ミッケルに相談する時間などないといくことだ。

 いうまでもなくミッケルの差し金であり、騎士修行の一環だった。



「本日はご招待に預かり、誠にありがとうございます」


 カナーリィ家の前にフォルシテイ家の馬車が止まり、中からレフィを帯同した龍平が降りてくる。

 門の内側に並んだカナーリィ家一同に向かって丁寧にお辞儀をして、手土産をカナーリィ家家令に手渡した。


「本日はようこそおいでくださった。急なお誘いに応じていただき感謝に堪えませんぞ。そのうえ、お土産までいただくとは……精一杯歓待させていただきましょうぞ、フレケリー卿、レフィ殿。まずは、こちらへ」


 新参者を見下すような素振りなど欠片も見せず、下級とはいえ由緒ある法衣貴族に相応しい態度でアリストは龍平とレフィを迎え入れる。

 アリストの一礼に細君であるユーリカ、長男で跡取りのマーティン、次男マーテル、長女ケイト、次女ルチアが倣った。


 見たところ、アリストとユーリカは共に三〇代半ばに見て取れる。

 マーティンとケイトが龍平と同世代で、マーテルとルチアは四つ五つ下といったところだろう。


 実際には、アリストが三六でユーリカが二つ下の三四、ケイトが龍平のひとつ上で一八、マーティンが逆に一六で、マーテルが一四、ルチアは一〇だ。

 同世代の友人という期待に、龍平は心踊る思いだった。


 ケイト嬢に婚約者がいることを黙っておいた方がいいのか、さっさとバラしておいた方がいいのか、事前情報をタエニアから仕入れていたレフィは悩んでいる。

 まあ、どうせ相手になんかされないから、放っておけば?



 応接間に通された龍平たちの前に、アリストとユーリカが腰を下ろす。

 フォルシティ家に負けない格調を持つ家具調度品が、龍平たちを迎えていた。


「まずは、あらためて本日は急なお招きにも関わらずお越しくださったこと、御礼申し上げる。伝説の幻獣殿にお会いできた栄誉、生涯の誉れとなりましょうぞ。今宵は部屋も設えましたので、ごゆるりとお過ごしいただこう」


 もちろん、ただ友好を温めようというわけではないことは、お互いに承知の上だ。

 言葉も表情も柔らかいが、いってみればビジネスマナーみたいなものだろう。


 なにせ、巻狩までの日がそれほどないうえ、万が一の時はエリン伯が王都にいるうちにカタをつけなければならない。

 急な話も仕方なかった以上、アリストとしてもあまり高圧的な態度には出たくなかった。


 さらに、アリストは龍平が異世界人であることを知る立場ではなかったが、誤召喚の被害者であることは知っている。

 そのあたりも、態度や口調に影響しているようだった。


「私ごときに過分なご配慮、痛み入ります。さて、厄介なご用は早く済ませるに限ると思慮いたしますが、いかがでしょうか」


 さすがに、いつまでも世間知らずの高校生とはいかない。

 これまでの経験と、ミッケルを始めとしたフォルシティ家の面々に叩き込まれた知識や礼法を、龍平は総動員していた。


「さようですな。ささやかとはいえ晩餐時に相応しい話題とは思えませんな。ならば、早々に済ませるとしましょうぞ」


 アリストにも嫌はない。

 早速、議題に入ろうとする。


「あなた、あまり焦りすぎるのも……お茶が入ってからでも遅くはありませんわ」


 夫がお役目大事としていることは、ユーリカも充分理解している。

 そして龍平が初の依頼で固くなっていることも、ユーリカは見抜いていた。


 メイドがカップにお茶を注ぎ、それぞれの前にサーブする。

 事前に調べてあったのだろう、レフィの前には両手持ちのスープカップが置かれていた。


──お気遣い、ありがたく。アレフィキュール、レフィとお呼びいただければ。このような身体です。無作法はご容赦を──


 小さな赤い龍が可愛らしく小首をかしげ、挨拶とした。

 フェロニエールが魔道具の室内照明に煌めき、龍の凶相を和らげている。


「そ、そうだな。ここは城の執務室ではなかったな。フレケリー卿、寛ぎながら打ち合わせを済ませよう」


 ぎこちない雰囲気を女性二人が消し去っていたなか、男同士の打ち合わせが始まった。

 まあ、片方はトカゲだけどな。


「見たこともない足跡と書かれていましたが、それはどのような?」


 とっかかりはそれだろう。

 何をもって正体不明としたかは、足跡だったからだ。


 代々の御料森監督役ともなれば、それなりどころかかなり深い知識が蓄えられているはずだ。

 アリストたちにとって、森に棲む動物たちの足跡で知らないものはないといっても過言ではないだろう。


「ああ。足跡というよりは、ただの穴。不規則にこれくらいの丸い穴が雪に空いていましたぞ」


 アリストが両手の親指と中指同士で丸を作る。

 直径がおおよそ二五センチほどか。


「指の跡がないなんて、まるで想像もつきません。雪の深さは? 単に深くてというわけではないでしょうね」


 ガルジオン周辺の雪は、それほど深くは積もらない。

 雪上の足跡は、その動物固有の形で見ることができた。


 しかし、現代日本の知識を持ってしても、ただ丸いだけの足跡を持つ動物に心当たりはなかった。

 もう、嫌な予感しかしないよね。


「うむ。未知の魔獣だろうと、見当は着けているところ。今回は今後のために調査を主体とご理解いただく。もちろん、駆除できるに越したことはないが、その場合は軍の出動も視野に入っていますぞ」


 いきなり来ちゃったよ。

 一番聞きたくない答えだよ。


 それはともかく。これが龍平だけであれば、もっと砕けた口調なのだろう。

 だが、怒らせたらどうなるか判らない龍がいるせいで、アリストの口調はなんともちぐはぐになっていた。


 あくまでも調査が主体であり、参加者を過度の危険に晒さないことが確認され、日程も決まる。

 明日から三日の準備期間を置き、四日目の早朝に王都を出発こととなった。


 その日の昼過ぎに御料森に到着したら、そこから三日の行程で狩り場を中心とした御料森全域を調査し、今後の指針とすることも取り決められる。

 これにレフィが口を挟むこともなく、打ち合わせは無事終了となった。


「最後にひとつ教えていただきたいのですが、ご同行なされる王族のかたとはどなた様でしょうか?」


 最も気にかかっていた点を、龍平は質問した。

 罷り間違っても国王陛下がお出ましになるはずはないが、王位継承権上位者など出てきたひには責任の重さで潰れかねない。


「うむ。それは気にするに及ばすともいいだろう。フレケリー卿。まだ通達はないが、おそらくは傍流遠縁の公爵家三男四男といったあたりだろう。建前として王族に間違いはないでしょうぞ」


 たしかに、そのような立場であっても、尊称は殿下であり王族には間違いない。

 最大の懸念が払拭され、この日一番大きな安堵の溜め息を龍平は漏らさずにはいられなかった。


 

 このあとの晩餐会で、龍平が箸の歴史と使い方を説明させられたのは、お決まりの流れとなっていた。

 そして、寝所に案内されたあとマーテルとルチアの襲撃を受け、レフィがかっ拐われたのはワーデビット家でも見た光景だった。

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