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転生龍は人と暮らす  作者: くらいさおら
第三章 王都ガルジア
82/98

82.アイスクリーム×生クリーム+コーンフレーク×果物=???

 アイスクリームの試作に成功した二日後、龍平とレフィは再びバルゴを訪ねていた。

 言うまでもなく、フォルシティ家の皆にアイスクリームを振る舞うため、その材料をもらい受けに来ている。


 バルゴでは、早くも冷却魔法の修練が始まり、アイスクリームを村の特産品としようとしていた。

 もちろん、最初から他の村やガルジアまで売り出せるとは考えてないが、フライエリは輸送手段の算段もしている。


 冷却の方法さえ確立できれば、アイスクリームの輸送も可能になる。

 龍平としては科学の発展を促したいが、魔法技術の発展と普及がこの世界の選択であるならば、それを留め立てする権利などない。


 現代日本に育った龍平は、つい科学を優先して考えてしまうが、当たり前に魔法が存在するこの世界では、魔法ありきの考え方が普通だろう。

 特定の者だけが使える魔法ではなく、誰でも使える魔法の発展であれば、龍平は歓迎したいと思っていた。



 この朝、早い時間に飛び立ったレフィによって、フォルシティ家に生クリームと分離前の生牛乳が運び込まれている。

 もちろん、龍平が今やるべきことは、沸騰しない程度の低温殺菌だ。


 地方に慣れてしまった代官や地方領主が出先で土地の食い物や水に合わず、トイレの住人になることは珍しくもない。

 当然、この世界、時代のトイレは地球におけるキリスト教の洗礼を受けてないとはいえ悪臭の温床だが、街にぶち巻くようなことまではしていない。


 そうは言っても、長時間トイレに座り続けることは、苦痛以外のなにものではない。

 幸いにして幻霧の森で暮らしていた経験は、龍平に相当の耐性を作らせていたが、ミッケルを除くフォルシティ家の面々がそういった耐性を持っているか、龍平は不安だった。


「おーけー、おーけー。いいぞ、レフィ。完璧だ。これで、誰も不幸にはなるまい」


 カゼインの膜ができないように掻き混ぜていた龍平は、体感時間で一五分を過ぎた頃、レフィに魔法の打ち切りを告げた。

 六六度で三〇分が一番いいと記憶していたが、温度計などまだないこの世界でそこまで微妙な調整は無理だ。


 十数秒沸騰させてもよかったが、少しでも美味しい方がいいと龍平はレフィに頼み込んでいた。

 日本人だもんな、しょうがないよ。


――これくらい、どうということはないわ。あなたの言う、さっきん? しょうどく? その概念は瞠目に値すると私は思うの。前に話していた、お酒の味がなくなって、飲んだら痛くなるほどまでに蒸留することも、そうなんでしょ? 私は聞いたことでしかないけど、そこそこ設備を整えられて清潔な後方の野戦治療所と、応急処置がせいぜいの前線では、兵の死亡率が大きく違うらしいわね。この考え方が広まれば、傷病兵の死亡率がぐんと下がるんでしょうね――


 さすがですな、悲劇のトカゲ魔法姫。

 低温殺菌からアルコール殺菌を即座に繋げるなんざ、為政者の資質ですね。いや、マジで。


「レフィは、聡明なんだな。俺は知ってることをしてるだけなんだけど、違うことに即座に繋げていけるんだ。すげぇなあ、おまえ」


 龍平は素直に感心していた。

 殺菌や消毒の概念など、地球においては一八世紀に生まれ、一九世紀になってやっと確立されたものだ。


 しかし、治癒回復魔法があるこの世界では、地球とは医療の成り立ちが違っていた。

 外傷は治癒魔法で治せていたし、感染症も回復魔法を継続的に使うことで体力を維持し、自然治癒に持ち込んでいる。


 大怪我も重篤な感染症も、なったらなったで仕方がない。

 あとは魔法でなんとかする。それでなんとかなってきた。


 だが、怪我を魔法で治しても、感染症で失われた体力を魔法で維持しても、細菌やリケッチャ、ウイルスといった病原体を殺しきれなければ、最終的には死が待っている。

 治癒回復魔法は怪我や体力の回復はできても、病原体を殺すことはできない。


 体内に入り込んで良好な状態の人体を食い物にした病原体を殺せないなら、体力だけは回復できても臓器がダメージを追っていく。

 特定の臓器を治癒することができるならそれでもいいが、ダメージを受けた臓器が判らなければどうしようもない。


 元の健全な状態に戻すことが魔法でできるとしても、病原体までまとめて元気にしてしまう。

 これでは堂々巡りであり、最終的には魔法の施術をし続けられるかどうか、財力とコネと運次第だ。


 ならば、感染症の素を絶ってしまえばいい。

 レフィは、そう考えた。


――あなたにそう誉められると、くすぐったいわね。私はひとびとの役に立つことがあるなら、なんでも試したいの。これも、ティランのおかげかしらね。あのドラゴンの知識は凄いのよ。でもね、リューヘー。あなたの持つ知識は、ティランが持つ量にはとうてい適わないけど、質においてはるかに凌駕しているわ。今、話していた消毒にしろ殺菌にしろ、それで病気を防げるのでしょう?――


 やはり、聡明にして明快だ。

 そりゃぁ、まぁ、公爵家ご令嬢だもんな。


 当然、普段ははぐらかしてるけど、いざってときの覚悟は持ってるよな。

 そう言ったレフィは、為政者の威風を堂々と持っていた。



「さあ、じゃあ、やるか。では、先ほどの説明通り、みなさんお願いします」


 すでにフォルシティ家の厨房には職人たちが集まり、龍平の説明を受けている。

 龍平の号令一下、それぞれはやるべき仕事を始めていた。


 生クリームをホイップし始める者、割った卵の殻を使って卵黄と卵白に分ける者、その卵黄と牛乳、生クリームと砂糖を金属筒に定められた比率で入れ、撹拌する者。

 そして、冷却に使える魔法を持つ者が、金属筒を受け取ったレフィの氷魔法に注視していた。


「なにが始まるんだい、リューヘー君? 私としては、先日置いてけぼりにされたことの償いであってほしいと考えているが」


 よほどそれが残念だったのか、偶然登城しなくていい日なのか、それとも一時の立ち寄りなのか、ミッケルが厨房に顔を見せた。

 龍平の指示の下で動き回る職人たちと、手元の金属筒に意識を集中させている小さな赤い龍を眺めている。


「あ、ミッケル様。決して置いてけぼりなど……。このあと、お時間はございますか? 半刻ほどでお召し上がりいただけますが」


 あの日、フォルシティ家の分も作ってあった。

 そして、以前の約束通りレイナードや金属筒を作ってくれた鍛冶屋、それぞれの弟子たちに振る舞いに立ち寄った。


 その結果、相当量作ってあったはずのアイスクリームやホイップクリーム、焼きメレンゲは一瞬で消えていた。

 王国切っての武闘派貴族がその程度でへそを曲げるとは思わないが、やはりどこか後ろめたいものがある。


 もちろん、この日の午前と午後のお茶に合わせて試作品を出し、改良点を見つけようとしていた。

 そしてミッケルの分は完成度を高めた上で、夕食のデザートとして供するつもりだった。


「もちろんだとも。ちょうど、午前のお茶に合わせていたのだろう? 妻と娘だけがそれを味わえるなんて、仕事などしている場合ではなかろう。そうは思いませんか、辺境伯閣下、両尚書閣下?」


 仕事休んじゃったよ、この人。

 ついでにとんでもない人たち連れてきちゃったよ。


 お仕事はよろしいのでしょうか、キルアン閣下?

 なんか、すげぇうっきうきですが、アンパンのお毒味ができなかったの、恨んでませんよね、サミウル閣下?


 バーラム様はバーラム様で、もう商売の匂いを嗅ぎつけてるでしょ?

 天真爛漫に目ぇきらきらのラナイナ様を、少しは見習ってくれませんかねぇ。


「……はい? はいいいっ!? 閣下ぁっ!?」


 一瞬硬直した龍平は、バネ仕掛けのおもちゃのようにイスから立ち上がり、その場に片膝をついて頭を垂れた。

 辺境伯に侯爵という、貴族社会の事実上の頂点に位置する者たちの前で、一介の騎士爵十騎長風情がイスでふんぞり返っていていいわけがない。


「フレケリー卿。いや、リューヘー君。今は公務ではない。同じ直臣同士、そう硬くなるでない。聞けば、そなたの世界の菓子をまた再現したらしいのう? 陛下への献上に値するか、確かめねばならんな」


 龍平の緊張をほぐすように、キルアンが言葉をかける。

 それって、公務になってませんかねぇ。


「たまにはこんな日があっても、いいだろう? 我々とて、息抜きは大事なのだよ。過日のアンパンは、見事だったそうだな。あのあと、王城の菓子職人たちが作ったものを賞味させてもらったが、やはり卿が指揮して作ったものも賞味させてもらわんとな」


 やっぱり、根に持ってますね、サミウル様。

 こんな日がしょっちゅうあってたまるか。


「リューヘー、あとで作り方を教えろ。王家なんぞ、放っておけ。いいな? どうせ、敏い者が食えば、すぐに広まる。それまで、それはセルニアンとバルゴ、そしてネイピアで独占する。ネイピアに人が集まるまで、セルニアンとバルゴでは売らせん。もちろん、ガルジアでもだ。よろしいな、両尚書殿?」


 やっぱり、気づいてるよ、この人。

 そしてバーラムの言葉に、両尚書はあっさりとうなずいて見せた。


「なに面倒なことを言ってるのですか、あなたたちは。レフィちゃんの邪魔です。さあ、あっちで待ってましょ? レフィちゃん、挨拶なんてあとあと。今は気にしなくていいわ。さあさあ、行きましょう。かわいらしいホステスがお待ちよ。リューヘーさん、お邪魔してごめんなさいね」


 言うが早いか、ラナイラはバーラムの腕を取り、厨房から引きずっていく。

 もちろん、ここで政治的な話をする気などない両尚書も、特段異を唱えることなく笑顔で厨房をあとにした。


「リューヘー君。もちろん、私に一番最初の味見をさせてくれるのだろう? 彼らの相手は娘に任せてある。私はじっくり拝見させていただくよ。なに、心配には及ばん。娘にはタエニアをつけてあるし、内向きの仕事が済めば、家内とエヴェリナも合流する。なにごとも、社会経験さ」


 鬼ですか、あんたは。

 たかだか一二歳の娘に国の重鎮中の重鎮押しつけて、自分は悠々とお味見でございますか。


 まあ、公務じゃないし、両尚書から見れば孫同然、バーラム夫妻から見れば娘同然だし。 めろめろになって、良い教育を施してくれるだろうなあ。



 そうはいっても、フォルシティ家はつい最近男爵に陞爵されたばかりで、やっとまともな貴族として扱われるようになったばかりだ。

 準男爵家を継いだときから、王城に巣くう魑魅魍魎どもと闘い続けてきた苦労を、デルファも早く知っておくべきとミッケルは考えていた。


 成り上がり、不調法者、戦狂いと、ミッケルを揶揄する言葉は片手では収まらない。

 戦も知らず、真の貴族としての闘争も知らない貴族の末席を汚す者共こそ、自分の力で男爵に登った男を馬鹿にしていた。


 だが、そんな者たちなど捨てておけ、などとは言えないのが貴族社会であり、王城内でのパワーバランスだ。

 気に入らない者を使いこなすことが、真の貴族であり、現代においては社長以下の管理職、そして中間管理職に求められる資質だろう。


 小さなチームや課の中でも、合う合わないはある。

 それがグループや部になれば、下にいるリーダーもしくはそれぞれの長の合う合わないも合る。


 下っ端など気楽なものだ。

 上から全体の失敗を怒鳴られようが、気の合わない奴とは仕事ができないとわめいていればいい。


 だが、小さくとも上に立つ者は、それを調整しなければならない。

 気の合わない部下同士の間に入り、仕事をさせなければならない。


 成果が上がらないと怒鳴りつけ、気の合わない同士を放置していいはずがない。

 だからといって、八方美人は許されない。


 上司の立場にある者がしなければいけない仕事は、部下を円滑に動かして成果を上げさせることだ。

 誰かに肩入れすることでは、決してない。


 妬みや嫉みを持つ先任の騎士爵たちを、宥め賺し、ときには脅して動かさなければならないミッケルは、一代で築いた気苦労がついて回る。

 もちろん、子爵以上の立場を脅かされると、勝手に敵意を抱く者たちへの対処も当然あった。


 成り上がりの跡継ぎと揶揄されるであろうデルファに、辺境伯や両尚書といったコネクションは、是非とも作り上げておきたかった。

 もちろんデルファは、バーラムやキルアンにサミウルと初対面なはずはない。


 だが、一回こっきり会っただけで、活きたコネクションを維持できるわけがない。

 交流を深めておいて、損はあるはずはなかった。


「ミッケル様の言葉を信じますよ。慰労じゃないけど、デルファ様の分は少し多めにしとくかな。……じゃあ、これ天火でカリカリになるまで焼いてください。さて、巧くいくといいけど……」


 デルファの現状は貴族たる者の宿命と諦め、龍平は手元でこね回していたボウルを職人に渡した。

 トウモロコシとしか思えない穀物をすり潰し、牛乳を少しだけ混ぜて伸ばしたペーストだった。


 ドライアス帝国南部や自由都市群南部で生産されている、この世界における主要穀物のひとつだ。

 先日、龍平は市場でこれを見つけたときから記憶の底を洗い出し、コーンフレークの作り方を考えていた。


 アイスクリームとホイップクリームができるならば、パフェもしくはサンデーを作りたい。

 そうなると、食感のためにコーンフレークが欠かせないと、龍平は信じ込んでいた。


 市場でトウモロコシを見つけたとき、龍平は小躍りして喜んだものだった。

 トウモロコシ自体が好きなこともあるが、その粉末が製品化されているならば、トルティーヤも夢ではない。


 ドライアス帝国や自由都市群では既に出回っているかもしれないが、少なくともガルジオン王国ではトウモロコシ粉は流通していない。

 この王国で流通している品種は、粉末にすることなく、粒を茹でるか焼くか、蒸すかして食べるのに適していた。


 そして、コーンスターチまであってくれたなら、カスタードクリームも作れよう。

 なによりも、プリンを現実にできる。


 その日、トウモロコシを両手に掲げ、東農大に伝わる大根踊りのようにはしゃぐ龍平を、レフィは知らないひとが突然狂ったとでもいうように、呆れながら距離を取っていた。

 当然だね。


 残念ながら、この世界、この時代ではコーンスターチはまだ存在しない。

 地球においても、一九世紀末から二〇世紀初頭に、やっと製品化されたものだ。


 間違いなく、まだ発想すらないはずだろう。


 龍平にしても、ジャガイモから片栗粉を作る方法は雑学として知っていたが、コーンスターチまでは知らなかった。


 無い物ねだりをしてもどうしようもないので、職人たちに片栗粉のジャガイモからの製法を伝え、コーンスターチの研究をしてもらうことにしていた。

 それが成功すれば自身で作ったことはないが、母が作ってくれたプリンやカスタードクリームを使った菓子が再現できる。


 市販品ではない母の手作りの味は洗練とはほど遠いが、龍平にとってなにものにも代え難い。

 現代日本とこの世界を往復しようと決心している龍平にとって、母が作り出した味は最高のモチベーションだった。



――リューヘー、できたわよ。これで午後は厨房の方にアイスクリームをお願いできると思うわ。予定通り、焼きメレンゲは午後でいいわね?――


 いくつもの金属筒を同時進行で冷やしていたレフィは、バルゴで試作したときよりは長めの時間をかけていた。

 ローテーションで魔法をかけていたため、最低限必要な時間に個数を掛けた時間になっていたからだった。


「お、さんきゅー。こっちもいい具合に焼けたぜ。こうも巧くいくとは思わなかったよ。偶然なのか……まあ、日頃の行いだな」


 コーンフレークの出来映えもさることながら、龍平は鉄板の上できつね色に焼きあがったひと口大のホットケーキに満足していた。

 もちろん、ベーキングパウダーのない世界で、ふっくらと緻密に焼き上げるには頭をひとひねりしなければならない。


 とりあえず、イーストを入れたパン生地を、ボウルの中で発酵させておいた。

 だが、塊になる程度の水ではなく、とろとろのホットケーキミックスのような、お好み焼きのような水の量だ。


 そこにヤマイモのような芋をすり下ろしと砂糖を加え、長めに放置したものを鉄板で焼いてみた。

 おそらくだが、イースト発酵による二酸化炭素と、ヤマイモのデンプン、そして粘りとが絶妙のバランスで混ざり合い、現代日本に劣らないホットケーキが大量にできあがっていた。


「う~ん、バターとシロップで食いたいけど、今は我慢だ。じゃ、まずはミッケル様ご夫妻、バーラム様ご夫妻、キルアン様、サミウル様、デルファ様の分をこちらに分けて。あとは厨房のみなさんの研究材料としてどうぞ」


 パンを盛るカゴに全体の三分の一ほどパンケーキを入れ、銀のボウルにやはり全体の三分の一ほどホイップしたクリームを取り分ける。

 そして食器棚の前に立ち、大ぶりで背の高い銀製の杯を人数分取り出した。


「さて、こちらですが。……背の高い杯の底に、コーンフレークを砕いて入れて、その上にホイップクリームを少々。それからアイスクリームを入れて……煮詰めて冷やした果汁があれば、さらにいいんですが……とりあえず今は干しぶどうを散らしましょう。その上にまたホイップを入れて、うん、小さく切ったパンケーキも入れよう。またアイスクリームを重ねて、干しぶどうを散らして、ホイップクリームを追加して、最後に大きめに割ったコーンフレークを飾ってできあがりです」


 龍平が作ろうとしていたものは、いわゆるパフェだ。

 だが、チョコレートがまだ望めない現状と、保存用の果実しかない冬である今、龍平の発想では干しぶどうを散らすことが精一杯だった。


 干しぶどう以外にも蜂蜜漬けのマルメロやリンゴ、梨もあったが、龍平の発想が追いつかなかった。

 このあたりは、厨房の職人たちの改善に期待するしかない。


 季節が変われば、野イチゴやさまざまなベリー類が出回ってくる。

 それをどう使うかは、職人たちの腕如何だ。


 今日の午後にでも、龍平が知らない果実の使い方を、職人たちは見つけだすかもしれない。

 それが一定以上の評価を得るようになれば、フォルシティ家の晩餐なりお茶会に呼ばれることが、貴族社会のステータスになる。


 ミッケルは見慣れぬ冷菓を異世界人が作り上げていく様を見て、そう確信した。

 龍平がこしらえたパフェは、まぎれもなく、この世界、この時代におけるドルチェ・ビータだった。

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