10日目(20)―重なる唇
ついに1日で20話到達してしまった
二人で部屋に入って、ドアを閉める。持ってたリュックを、ストーブの隣に置く。
スイッチを叩いて点けた明かりみたいに、抑えてた気持ちが、一気に溢れる。
「もう、我慢しなくていいよ……?」
「そ、そうだね……」
その言葉に、抑えてた欲望も、心に満ちた感情も、体から漏れていく。
「わたしももう、我慢できない……っ」
ミーナのほうから抱き寄せられて、私がミーナを壁際に詰め寄ったみたいな恰好になって。
なにこれ、すっごい、ドキドキしちゃう。
「いい、……よね?」
「もちろん、だよ」
私の顔を見つめたミーナが、顔を近づけて、目を閉じる。
今は、私たちの恋は、誰にも邪魔なんてできない。
重ねた唇は、今まででいちばん熱くて激しいような気がする。
「んぅ……っ、ぴちゅっ、ぷふぅ、あっ……」
「ちゅっ、……はぁ、ミーナぁ、ごめん、止まんない……っ」
「んんっ、はぁっ、いいよ……っ、かすみぃ……っ」
二人の気持ちが、激しく絡まる水音。乱れる吐息と、そこから漏れる声が、益々膨れ上がる気持ちに火をつけていく。
どうしようもなく、好き。昂る感情を、抑えることなんてできない。
「んっ、……は、……ちゅっ、……ん、ふぅ、」
「はぁ、……今日のカスミ、すっごく、激しい……っ」
「ごめんね?……嫌だった?」
「ううん、……嫌なわけないでしょ……っ」
もっともっとキスしたくなって、でも、体が、すっごく熱い。
そういえば、帰ってきてそのままだったから、コートも着たままだった。
「でも、体熱いね……」
「コート、着たままだもんね」
一緒に脱いだコートをベッドに無造作に置いて、また、さっきみたいに向かい合う。
「じゃあ、もっと、する?」
「え、い、いいの?」
「いいよ、……当たり前でしょ?大好き、なんだから」
まだ、全然足りなかったのは、ミーナも一緒みたいで、
「じゃあ、今度はミーナからして……?」
「うん、わかった、……こっち、向いて?」
ちょっと見下ろすようにして、視線を合わせる。
軽く唇をすぼめて、目を閉じる。ミーナの唇が重なったのは、それから一瞬と違わなかった。
下から這い上るような、私のことを想ってしてくれるキスに、あっという間に体が火照る。
私がするみたいに激しいわけじゃないけど、頭が痺れてしまうくらい、甘くて気持ちいい。
力が抜けていくせいで、膝がガクリと崩れ落ちそうになるのを、必死にミーナに抱きついてこらえようとして。
「ん、……カスミ、もう限界?」
そんなことに気づいたのか、ミーナから唇を離される。
「ごめん、もう、立てなくなりそう……っ」
「いいよ、大丈夫」
ぎゅって抱き寄せられた体は、今はミーナのほうが背が高い。
見上げると、ミーナの優しい笑顔が見える。
撫でる手の温もりと優しさに、ただでさえとろけかけた体が、全部溶けちゃいそうになる。
「そろそろ、ご飯かな」
「うん、そうだね……」
「今、カスミの味しかしないや」
「もう、ミーナってば……っ」
そんな変な事言わないでよ、でも、私も、口の中、ミーナの甘い味しかしない。
お母さんがご飯に呼びに来るまで、力の抜けた体を抱き寄せたままでいてくれた。
ついにゆりちゅっちゅするだけで1話使ってしまった
でも過去にやらかしてるかもしれない




