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私と愛猫(かのじょ)。  作者: しっちぃ


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10日目(10)―優しい言葉

まーた投稿が遅れてしまいました。

本当に3/13までに完結できるんですかねこれ。

 電車が来るまでのちょっとの時間、隣り合わせにベンチに座る。

 私がリュックを降ろして膝の上に置いたのを、真似するみたいにミーナもそうする。


「やっぱり、手しまったほうが、あったかいね」

「そうだね……」


 気温は昨日までと大して変わらないのに、今日は、なんだかいつもより寒くない。

 繋いだ手をポケットに入れてるせいなのかな、それとも、一緒にデートするってことに、体が熱くなってるせいなのかな。

 また、胸の奥がキュンと鳴る。痛いようで、切なくて甘い感覚に、ずっとずっと抱いてる恋心をまた気づかされる。

 そんなことを考えてると、電車が来ることを告げるアナウンスが鳴る。


「あ、電車来るよ?」

「うん、わかった」


 立ち上がって、リュックは背負わないまま持って、ちらりとミーナの方を見る。言葉でどうするかなんて言えないし、その視線だけで、ミーナはわかってくれるから。合図みたいに、お互いの手が繋がる。

 ドアが開いて、降りる人を待ってから、一緒に電車に乗る。人は意外と多かったけど、並んで座れるところがあったから、そこに一緒に座る。

 電車が動きだして、ふとミーナの方を向くと、得意げに笑ってる。


「もー、何笑ってるの?」

「……カスミと一緒にこうやっていられて、嬉しいなって」


 そんな言葉、ずるいって。心を射抜くような甘い言葉に、酔いしれていく。

 もし、あの時、運命が変わってなかったら、猫又様というもののいたずらで、ミーナが人として生まれ変わってなかったら、……こんな風に二人でいることは、一生できなかったんだ。まして、この世とあの世に別れてしまったら、もう、どうあがいてもミーナのそばになんていられなかった。

 でも、今は、こうやって、おんなじ日々を共にする、『恋人』という関係で。

 こんな風にいられて、嬉しくないわけがない。

 

「私もいっしょだよ、ミーナ」


 ここだけは、二人だけの時間。もう、周りなんて見えなくなる。ミーナへの『好き』って気持ちが、体中いっぱいに満ちていくから。

 気持ちが溢れて、思わず抱き寄せた体は、温かくてもこもこする。


「カスミってば、……本当に甘えたさんだね」

「だって、もう仕方ないもん……」


 ミーナのこと、好きだから。なんて言えないけど、もうとっくに気づかれてるんだろうな。


「しょうがないなぁ、もう……」


 呆れたように耳元でささやいて、軽く髪を撫でてくれる。それから、こらえきれなくなったみたいに私の体を抱き返してくる。

 そうされたせいか、体中熱い。でも、その熱が、私にはちょうどよくて。

 もうちょっとだけ、このままこうしてたい。電車が目的の駅に着くのが、なんだか寂しいような、もったいないような気がしていた。

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