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私と愛猫(かのじょ)。  作者: しっちぃ


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50/100

8日目(8)―ふわふわの心

ついに50話です!やりました!皆さまのおかげです!

 一本の傘は、二人で入るにはちょっと狭い。

 でも、こうやってミーナと体を寄せ合って歩くのは、胸の奥が『幸せ』って気持ちで満たされるくらい嬉しい。だって、こうして隣を歩くのが、『恋人』になった、一番大好きな人だから。


「あ、こっちだよ?」

「そっか、ついいつもの道行こうとしちゃった」


 いつもとは、ちょっと違う道。


「お散歩の時、よく歩いてたのにな」


 今だと違う道みたい、そう笑うミーナ。

 ……そういえば、まだ私、ミーナが猫だった頃のこと、知らないことだらけだ。一緒にいた時間は長かったけど、今みたいに言葉で教えてくれないし、しぐさだって、どう思ってるのかは、ぼんやりとしか教えてくれなかった。

 知りたい、好きな人のこと、もっと。そう思うのは、いけない事かな。


「お散歩って、どこ歩いてたの?」

「んー……いろんなとこ、歩いてたよ?」

「じゃあさ、今度、一緒に行っていい?」


 そう言うと、にっこりと笑った。


「もちろん!」


 つられて、私も笑う。そんな事を言ってたら、行こうとしてたコンビニがもう目の前。

「じゃあ、入るよ?」

「うんっ」


 傘を閉じて、傘立てに隣り合わせで置く。手が空いて、自然に繋がった指先は、恋人つなぎのほうで。

 コンビニの空調が、暑いと思っちゃうくらいドキドキした。他の人もいるのに、二人の距離感は『恋人』のまま。二人だけの内緒にしよう、なんて言ったのに。 

 でも、私も、こうしていた方が好きだし、自然にいられる。仕方ないでしょ?だって、こうしている時間が、一番長くて、大好きなんだから。なんて、誰に言い訳してるんだろう。


 マシュマロの大きな袋を買おうとして、食べきれるかちょっと不安になる。

 だって、私はあんまりおやつとか食べないし、それに、二人きりだと、……『恋人同士』じゃないとできないこと、したくなっちゃうから。

 ちょっと小さめのを選んで、レジに持っていく。割りばしを入れてもらえないかに頼んだら、ちょっと不思議そうな顔をしながら入れてくれた。


 店先に出て、ミーナにマシュマロを私のリュックに入れるようにお願いする。でも、私の後ろにミーナがいるって状況は、どうしようもなくドキドキしちゃう。

 相合傘をし直して、いつもの道に戻ってきて、ちょっとほっとする。今いるのは、私とミーナの二人だけ。


 ちょっと、もう我慢できないかも。こんなに近くにいて、『恋人』でいることをずっとこらえてきて、触れ合うくらいの距離にいるのに。

 自然と、顔を見つめ合う。赤い顔は、寒いからじゃなくて、きっと、照れちゃうから。

 足を止めて、目を閉じたのは、きっと、ほとんど同時で。


 ちゅっていう音を残して、唇が離れる。重ねた一瞬、頭が真っ白になって、そこをあったかくて甘いものが満たしてく。

 力が抜けて、ミーナに体を預けると、ぽんぽんと優しく頭を撫でてくれた。

これガチであと20話ありそう。

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