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私と愛猫(かのじょ)。  作者: しっちぃ


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42/100

7日目(14)―温め合う体

底辺脱出と言われる100ブクマまで、あと1/4になりました。

皆さまの応援のおかげで、ここまでなんとか書けてます。

 重なる角度が変わるだけで、なんでこんなにドキドキが増していくんだろう。

 キスの仕方も、優しさも、ミーナは全然変えてないのに。


「ん、んにゅ、んぅ……、はぁ、っ」


 息が堪えられなくなって、そんな声が漏れるのを抑えられない。

 ピクピクと体が跳ねる。おへそのあたりが、じんわりと熱を持つ。


 制御できなくなっていく体。キスの先の、もっともっと激しいことを求めてるって、嫌でも気づく。

 心も、それを欲しがってるけど、まだ知らない、『恋人』のする一番深いことに、恐いと思ってしまう自分がいる。


「……ふぅ、……どうしたの、カスミ?」


 唇を離されたのに、まだ上がった息は収まらない。


「な、なんでも、ないから……っ」


 何でもないわけない。それは、自分が一番わかってる。

 でも、心は、体は、ミーナの唇を求めてて。


「……ごめんね、無理やりキスしちゃって。だから、そんな苦しそうな顔しないでよぉ……」


 私、そんな顔してたのかな。そうだとしても、ミーナとのキスが、気持ち良すぎたからで。


「そんなこと、ないよ……、すっごく、嬉しかった」


 私から唇を近づけて、ミーナのほっぺたに触れさせる。


「ありがと、……今日は、もう寝よ?これ以上したら、私、変になっちゃいそう……っ」


 私も、これ以上こんなことされたら、――私の大事なとこから溢れそうになってる気持ちが、もう我慢できなくなりそうで。


「うん、おやすみ」


 まだ熱い体は、布団に入るのを拒否してる。でも、互いの熱を求めて抱き合うのはやめない。

 自然と触れた、おやすみのキス。

 きっと、私とミーナの関係が、キスから繋がって、いちばん特別な関係になったから。

 だから、いろんなこと、すぐに唇と唇で伝えてしまう。


 でも、私とミーナの間には、『好き』が空回りして、1日でも伝えられなくなったら、すぐ壊れてしまうような脆いつながりしかない。

 もし、この関係が壊れてしまったら、……私は、死んでしまいそうなくらい辛い。

 

 ……好きだよ、ミーナ。


 それだけの言葉を伝える勇気も持てない私は、ただミーナの寝顔を眺めることしかできない。

 体に滾ってしまった熱を発散することも、寝顔にくちづけることも、躊躇してしまう。


 眠れないまま、枕元の時計をみると、もう日付も回ってる。

 どれだけの時間、ミーナに溶かされたのかも、どれだけミーナの寝姿を眺めてたかもわからないけど、お風呂あがりからは、大分時間がたってる。


 まだ眠れないまま、体の熱がゆっくりと冷えていく。ミーナに抱かれてる熱じゃ足りなくなって、布団に入るついでに、ミーナも一緒に入れてあげることにする。

 布団を引っ張ろうと、抱かれてる手をほどこうとしたときに聞こえた声に、心臓が止まりそうになった。


「ん、……カスミ?」

「ミーナ、……起こしちゃった?」

「ううん、全然寝れなかった」


 ミーナも、同じだったんだ。ペットは飼い主に似てるとは言うけど、もうそういう関係じゃなくなったのに同じこと考えてる。


「私も、……もう寒いし、布団入ろっか」

「そ、そうだね」


 ミーナの様子が、いつもとはちがう。まだ、空回りしてしまった恋心は、心と心の間をふらふらと彷徨ってる。


「カスミ、本当にごめんね?あんなことしちゃって」


 ああ、思い出した。今のミーナは、昨日の私にそっくりだ。犯してはいけないと思ってた罪を犯して、心を縛られてた私に。


「ううん、嬉しい。……だって、すっごくドキドキしちゃうくらい、気持ちよかったもん」


 ほっと、ミーナの体が柔らかくなる気配。その体を抱き寄せて、そっと唇を重ねた。

 『もういいよ』、『ありがとう』、『大好き』、そんな気持ちは、ちゃんと伝わるかな。


「……わかった?」


 私の想い全部、届いたかな。


「うん、ありがと、カスミ……」


 唇をすぼませて、そっと目を閉じるミーナ。闇に慣れた目は、そんなのもちゃんと見えた。


「もう寝よっか、ミーナ。……おやすみ」


 もう一回、唇を重ねる。わざと音を立ててすると、ミーナの顔が、ちょっと赤くなったのがわかった。


「おやすみ、カスミ」


 お互いを深く抱き寄せて、甘い熱を感じる。

 ミーナの温もりに溶けて、いつのまにか意識が遠くなっていった。

ようやく7日目が終わりました。

10日目まで書くつもりなんで、それまでもうしばらくお付き合いください。

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