表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私と愛猫(かのじょ)。  作者: しっちぃ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

38/100

7日目(10)―『好き』の誓い

レビューや感想、多くのブクマや評価をいただき一時はデイリーカテラン39位、1日1000PV寸前まで行かせていただきました。本当にありがとうございます。

「うぅー……、なんか、すっごい緊張する……っ」

「そうだねぇ、カスミ」


 いよいよ体を洗う段になって、高鳴った鼓動が、いっそう早くなる。

 洗いっこするってことは、ミーナにいっぱい触れるわけで、それは、ミーナに触られるのと同じことで。


 ミーナも、ドキドキしちゃうのかな。そうだったら、嬉しいな。

 それは、だって、同じ想いを持ってるってことだから。

 ミーナが私に抱いてる『好き』は、私がミーナに抱いてる『好き』と同じだということは、ミーナが教えてくれる、言葉でも、肌でも、唇でも。


 でも、そのことに気づかされるたび、キュンと胸が鳴る。ミーナと私の心を繋ぐ赤い糸が、ちゃんと繋がってるってわかるから、なのかな。


「ねぇ、……ドキドキが収まるおまじない、してあげよっか?」

「うん、お願い……っ」


 一緒にいるだけでドキドキしちゃうのに、洗いっこなんてしたら、心臓が壊れちゃいそう。


「じゃあ、こっち見て?」


 赤くなってるだろう顔を隠そうとして俯いてたのに、ミーナと目線を合わせられる。

 顔が近くなって、何度も重ねたキスの感覚を思い出して。

 とっさに目を閉じると、ミーナの唇が、私のそれと触れる。

 ちゅっ、という音が、浴室に響いて、心臓が止まるかと思った。――ドキドキしすぎて。


「んもうっ、……心臓が止まりそうになったじゃないっ!」

「ね、ドキドキが止まる、でしょ?」

「そういう意味じゃないから!というか心臓止まったら死んじゃうよ!」


 慌てて、大きな声を出してしまう。


「ごめんってぇ……だって、好きだもん、カスミのこと」


 そんな言葉で、何も言えなくなっちゃう。『好き』という気持ちを伝えられると、胸を甘いもので満たされるから。


「いいよ、……私も、ミーナのこと好きだし、キスだってしたいもん」

「へへへぇ……っ」


 見つめ合って、笑顔になる。蕩けたような顔は、他の誰よりも、かわいいって思う。


「ずっと、一緒にいようね」

「……うんっ」


 唇が、触れた。

 誓いのキスなんて、結婚式でもしてるみたい。私とミーナは結婚できる歳だけど、まだ高校生だし、そもそも女の子同士では結婚できないのに。


 でも、……胸の中は、幸せに満たされる。

 好きな人の、好きな人でいられる幸せ。

 好きな人と、キスできる幸せ。

 好きな人と、一緒の時間を過ごせる幸せ。

 そんな気持ちに、体が溶けてしまいそうになる。

 

 自然と抱き合った体の肌と肌で、言葉にならないくらいの『好き』を伝え合う。


「もー……体、洗うんじゃなかったの?」


 照れ隠しに言うと、ミーナの体が離れる。


「そうだったね、……じゃあ、そのまま待ってて?」


 ちょっと冷えてきた体に、ミーナの温もりは、ちょうどかったのに。

 ボディーソープを手に付けたミーナが、それを泡立てながら言う。


「じゃあ、いくからね?」


 きっとドキドキに溺れてく時間が、始められる。

お風呂回、まだまだ長引きそうですね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ