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私と愛猫(かのじょ)。  作者: しっちぃ


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7日目(9)―溶けてく心

久々に中1日です。

夏休みだし連投も入れたいですね。

 「じゃあ、いくよ?」


 ミーナが私の背中のほうに回る。そうされると、胸の奥がおかしくなってしまう。

 だって、ミーナの姿が見えないのに、肌に触れられたり、声を感じたりしちゃうから。


「ねぇ、ミーナ、……私の前、来てほしいな」

「しょうがないなぁ……」


 ミーナの白い肌が、目の前に現れて。見上げると、逆光で薄暗いのに、綺麗だってわかるミーナの顔。


「やっぱり、かわいい、……ドキドキしてる、カスミの顔」

「そ、そんなこと言わないでよぉ……」

「駄目?……わたし、カスミに冗談でこんなこと言わないよ?」


 そんな事は分かってる。ミーナが私にくれるものは、いつだって本当の気持ちで。

 でもそれだからこそ、心がキュンとしてしまう。何度も、ミーナに恋してしまう。


「ねぇ、……キスしよ……?」

「ふふっ、今日のカスミは、甘えたさんだね」

「……嫌だった?」

「ううん、すっごく、嬉しいよ?」


 ミーナの唇が降ってくる。見上げる角度で差し出した唇で、それを受け止める。

 離されて、自然と見つめ合って、笑みが漏れる。


「じゃあ、目、閉じて?」


 シャンプーが目に入らないためだってわかってるのに、心の中では別のものを期待してしまう。


「お風呂上がったら、いっぱい、キスしよっか」


 耳元で言われた言葉に、そんな気持ちすら見透かされてるような気がする。


「……うんっ」


 軽くうなずいて、ミーナの動きを音だけで感じる。シャワーで髪を濡らされて、ミーナがシャンプーを泡立てて。


「んあっ……!」


 触れるミーナの指先に、髪がかき乱されていく感触を、ずっと待っていた。心が乱されていくのも。

 それでも、触れられた瞬間、意識すら飛ばされそうなくらいに胸の奥を溶かされて、嬌声が漏れる。


「カスミって、本当にかわいいね。……ずっと、好きだよ」


 真心から言われる言葉は、頭の中をミーナでいっぱいにしていく。

 『好き』な人に、「好き」って言われて、唇と唇で確かめあえて、一緒にドキドキできて。

 こうやって二人でいられるなんて、私は幸せものだ。


「私だって、……ずっと好きでいるよ、ミーナ」


 薄目を開けると、ミーナがそっと顔を寄せる。

 我慢しなきゃと頭は止めようとしてるのに、期待してしまう気持ちがずっと勝る。


「わたしも、もう、我慢できないや」


 期待が確信に変わって、目を閉じる。差し出した唇に、ミーナは唇を重ねてくれる。

 「誓いのキスみたいだね」って、いつか言われた冗談を思い出す。


「ねぇ、ミーナぁ、……今の、誓いのキス?」

「もちろんだよ、カスミ」


 それを誓うみたいに、もう一回。

 やっぱり、私、ミーナに甘い。結ばれた恋心みたいに。


「早くお風呂済ませないと、風邪引いちゃうよ?」

「それもそっか、風邪引いたら、キスできないもんね」


 そんなことを、さらりと言っちゃうミーナが好き。

 私の全部を、奪われてしまいたくなるくらい。


 ミーナに髪を梳かされて、心も蕩けかけて。


「じゃあ、流すからね?」


 シャワーを出したあと、ちゃんと温かくなるまで待ってくれる。些細な気遣いも、私の胸の中で甘く溶ける。


 もう一回同じことをリンスでされて、のぼせてるんじゃないかってくらい体が熱くなる。

 まだ体を洗ってないけど、これ以上いたら、幸せすぎて死んでしまいそう。

いつまでお風呂入ってるんだろう。

前回の時点で「7日目だけで15回くらいはキスしてそう」って言ってたので数えたら本当に前回までで15回だったので二人のいちゃいちゃはとどまることを知らなさそうだなとほっとしました。(書き手並の感想)

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