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私と愛猫(かのじょ)。  作者: しっちぃ


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7日目(7)―二人の熱

単位?いえ、知らない子ですね。

 シャワーが、ミーナの体を叩く音。日に焼けたこともない真っ白な背中が見える。

 「洗いっこしよっか」なんて言われて舞い上がってた心が、もっとおかしくなっちゃいそう。


「カスミ、……はやく、して?」


 ミーナの言葉に思い浮かんでしまった想像を、慌てて消す。


「う、うん、わかった」


 シャワーを止めた浴室に、ただミーナと私が立てる音だけが響く。

 シャンプーを泡立てて、ミーナの髪を洗う。腰のある髪が指を通るのが、ちょっとくすぐったい。

 一番好きな人の、一番きれいなとこ見ていたい。

 髪を漉く手は、自然といつもより丁寧になる。


「シャワー、流すよ?」

「う、うん……っ」


 人になった今もシャワーが苦手なミーナ。もう今日で1週間になるというのに、まだ不安そうなのがわかる。


「ね、カスミ。……恐いから、ぎゅってしていい?」

「……いいよ、ミーナ」


 ミーナの顔の前に移動すると、私の姿を見つけたミーナが胸のあたりに顔をうずめる。


「へへ、……ちょっと、ほっとしたかも」


 胸のふくらみに感じる、ミーナの温もり。

 背中に回された腕から感じる愛情に、私の心が溶かされそうになる。


「じゃあ、いくよ?」

「……うんっ」


 息遣いが肌に触れて、ドキドキする。

 ミーナの顔のほうにお湯がかからないようにして、なんとかシャンプーを流し終える。


「……終わったよ?」


 シャワーをとめて、フックにかける。

 ミーナの熱は感じてたいけど、これ以上そうされていると心臓が破裂しちゃいそう。


「うん、ありがと」


 膝立ちをすると、目線が合う。それは何かの合図みたいに、顔を近づけさせる。

 唇を、自然に重ねられるくらい、私とミーナの心は通っていた。

 ずっとずっと近くにいた、一番大事な存在だから、なのかな。


「……んっ、……今日だけで、いっぱいキスしちゃったね」

「うん、……そうだね」


 そんな言葉を交わすことも、くすぐったくなる。まして、唇を交わすなんて、胸の中が幸せでいっぱいになって、――


 もっと、欲しい。言葉が頭に浮かぶよりも、体が先に動く。

 そんな私を、ミーナは優しく受け入れてくれる。

 視線が間近で重なって、目を閉じる。


 ……ちゅっ。


 浴室に、二人の唇が重なる音が響いた。

 胸の中が、甘くて暖かいもので満たされる。


「じゃあ、次、リンスだからね?」

「うぅ……、またかぁ……」


 残念がるミーナに、つい言ってしまう。


「もう一回我慢できたら、……ミーナから、キスしていいよ」


 きっと赤くなった顔、のぼせてたってごまかせるかわからない。


「うん、わかった」


 そう言って、ミーナが笑う。きっと、私の顔が赤くなった理由も、気づいてるんだろうな。

 でも、そんなとこも、――好きだよ、ミーナ。

さて、お風呂回だけであと何話できるでしょうか。

自分はあと3話くらいはあると思います。

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