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私と愛猫(かのじょ)。  作者: しっちぃ


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7日目(1)ー重なる気持ち

今作初の4日連続。

 目を覚ますと、まだ私の頭は昨日ミーナのしたキスを思い出す。

 抱き合って寝たから、ミーナの顔も近くて、……鼓動が、寝起きとは思えないくらい激しくなる。

 顔、近づけると、ミーナの目が一瞬開いて。


「ん、カスミ?……キスしても、いいよ……?」


 その言葉で、自制のブレーキが外れる。

 ただでさえ近づいてる顔と顔は、鼻がぶつからないように首を傾けるだけですぐにキスできてしまうのに。


「じゃあ、……するよ、ミーナ」


 そっと、唇を重ねる。いつもより乾いた唇の感触に、こんな時間にキスなんてしたことなかったって気づく。

 唇が離れて、自然と照れ笑いしあう。

 今だったら、ちゃんと言えるかな。……私の、本当の気持ち。


「ねえ、ミーナ」

「なぁに?」


 私の中のほんのちょっとの勇気を、精一杯絞り出す。


「ミーナ、……私と、『恋人』になってくれますか……」


 恥ずかしさに、体が焼かれそうになる。目を固く瞑ると、……ミーナの唇が、私の唇に触れる。


「もう、カスミ、なんで敬語になってるの?」


 頭に触れる、ミーナの手の温もり。


「だって、緊張しちゃうんだもん……っ」

「わたしが、断るわけないでしょ?最初から、キスって『恋人』とするようなことって言ってたもんね」


 体が熱くて、でもそれ以上にうれしくて。


「ありがと、……好き……っ」


もう、言いたい言葉が全然見つからない。『好き』という言葉に、いろんな気持ちが混ざる。


「ありがとね、カスミ」


また、唇が触れ合う。重ねるだけの優しいキスは、心をそっと暖めてくれる。


「ところでさ、『恋人』って何するの?」

「えっと……、手ぇ繋いだり、キスしたり、デートしたり……」

「わたしら、大体しちゃってるね」


そう言って笑うミーナ。確かに、手も繋いだし、キスもしたし、一緒に買い物したことをそう言えるなら、デートだってした。


「そうだねぇ」

「最初から、わたしらは『恋人』だったのかもね」

「もう、私もミーナも、こんなにドキドキしたいって思ったから、『恋人』になったんだよ?」


でも、否応なく、胸の奥が激しく鳴る。

私とミーナは最初からこうなる運命だったのかも、なんて思ってしまう。あのとき、ベッドで初めて人と人としてミーナと出会ったときから。


「でも、もう、わたしとカスミは『恋人』でしょ?」

「……そうだね」


どっちかが何か言ったわけでもないのに、もう今日だけで何回もしたのに、自然とキスを交わしていた。

ミーナの唇の柔らかい温もりが、唇に伝わる。

それは、胸の中で甘い余韻を残す。

数秒で離れてしまったのが、名残惜しいくらいに。


「そろそろ、起きよっか。目、覚めちゃったもんね」

「そうだねぇ」


抱き合った手が離れないまま、身を起こす。


「おはよ、カスミ」

「ミーナ、……おはよ」


また、体が勝手に唇を重ねる。

おはようのキスって言葉は聞いたことがあるけど、まさかそれをミーナとするなんて思わなかった。

胸の中が、甘くて熱いもので溢れる。

……きっと、これが『幸せ』って気持ち。

いきなりいちゃいちゃしはじめてどうしたと思った書き手

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