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私と愛猫(かのじょ)。  作者: しっちぃ


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6日目(1)―犯した罪

ついにブクマ数45件に達しました!

いつも応援ありがとうございます。書くことでしか応えられませんが……

 また、夢を見た。ミーナが、もういなくなっている夢。

『ごめんね、もうカスミとはいられない。大好き、だったよ』

 そんなメモを1枚だけ遺して、どこかに行ってしまった。


 ごめんね、私が悪かったのは分かってる。

 ――だから、戻ってきてよ。もう会えないなんて、嫌だよ。

 思い当たる場所を探して、……ついにその姿を見ることはなかった。あの日、突然いなくなってしまった時みたいに。


 目を覚ますと、隣ですやすやと眠ってる。起こさないようにそっと髪を撫でると、確かに指の間に髪の感触を感じる。

 ……最初、似たような夢を見たときは、そのことで、すごくほっとしたのに。

 今は、全然そう思えない。むしろ、いっそいなくなっていたら。そんなこと考えてしまうなんて、自棄になってるのかもしれない。

 犯してしまった罪の重さに、体が押しつぶされていく。心臓が、抉られそうなほどに。


 いつも私のこと抱いて寝てたミーナが、今日はそうじゃないっていうことが、頭の奥がぐるぐると回る。

 やっぱり、嫌いになっちゃうよね、私のこと。

 だって、一番大事に思ってくれてたはずなのに。

 それなのに私は、ミーナの気持ち、傷つけてしまったんだから。


「ん……?あ、おはよう、カスミ」


 いつも通りのはずなのに、目線が合わない。こんなにも、近くにいるのに。


「おはよう、ミーナ」


 その声も、いつもより沈んでるって気づいてしまう。


「ね、早くご飯食べよ?」

「う、……うん」


 急かされてるのは、二人きりでいたくないということなのだろうか。

 それは仕方のないことなのかもしれない。そんなことをされても当然なことを、私は、ミーナにしてしまったのだから。


 分かってるのに、胸の奥が痛む。ミーナに拒絶されるのが、何よりも怖いから。

 あんなにひどいことをしてしまって、ミーナに嫌われても何も言えるはずがないのに。


 制服に着替えるときも、学校に行くときも。ミーナは私のほうを向かないし、手をつないだり、触れ合ったりもしない。

 そうなっても当然だ。分かってるはずなのに、無性に寂しくなる。

 当然の報いなのだから、話しかけることもできない。


 そばにいるはずなのに、私とミーナの間には、透明な、でも絶対に越えられない壁があるみたいだ。

 その壁を作ってしまったのは、他でもない私のせい。

 してしまった事は、私の心も、ボロボロにしてしまう。


 いっそ、この場から消えてしまえたらいいのに。

 ミーナが、最初から人間だったと扱われてるみたいに、私という存在が、最初からいなかったことになればいいのに。そんな馬鹿なことを考えている私がいる。


 こんなに傷つくことだって分かってたんだから、最初から、あんなことしなければよかった。

 そんな今更すぎる後悔が、頭の中をグルグルと巡っていた。

ようやく6日目ですね。

何やらもどかしいことになってますが……

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