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第14話

「さぁ!やってまいりました!模擬戦及び生徒会と自警団によるエキシビション!実況を私、うたうが担当しますーす!」


放送部部長である3年、うたうの声の下、わぁぁぁと歓声がアリーナ中に響いた。


「さてさて、まずはエキシビション!2年前にもありましたねーこういうの!生徒会と自警団による模擬戦です!!それでは選手入場です」


うたうの掛け声でライトが一斉に消されると、東西の入場口から生徒会と自警団の面々がライトに照らされながら入場してくる。


生徒会は生徒会長である華美を先頭に、たんぽぽ、猛、紅羽。そして、紅羽に抱っこされながらフェニックスが順に入場した。


自警団側は梓を先頭に入場し、最後に灼熱が入場した。


アリーナの中央にある円形上のバトルフィールドを境にして東西に両軍は整列する。


改めて自警団の顔ぶれを見たフェニックスは、1人1人に目を向けその人物の大まかな戦闘力を測る。


やはり、大和梓と言う仮ではあるが頭を任されている自警団のNo.2は他の自警団の面々よりも遥かに戦闘力が高い。次いで梓とは反対側の端にいる人物、烈火灼熱からも他とは違う戦闘力を感じ取った。


「なぁ紅羽」


「どうしたの?フーちゃん」


「自警団ってなんの集団だ?」


「え?えーとね?自警団って言うのは会長からも聞いてるとは思うけど、私たちの学校つまり、毘沙門の防衛を任されてるんだよ。私たち生徒会が校内の政治、校外の政治をやるとしたら自警団は校内外の暴力行為を任されるわけ。言い方はあれだけどね」


「ケンカを納めるとかそんなことか?」


「うん。そうとも言うね。あとはたまーにだけどテロとかもやられちゃうからそれの防衛だね」


「紅羽のくせによく知ってるじゃねーか」


「私を何だと思ってるの!?これでも生徒会ましてやフェイステンのんだよ!?」


「漢字は読めねーのには」


「うるさい!で、どうして聞いてきたわけ?」


「いや、そんなに防衛とか重要な役割を担ってるはずなのに、俺らの前にいる奴らはあの頭張ってるのとあの氷麗と同じ新入生くらいだなーと思ってさ」


「まぁ、魔王のフーちゃんからしたらそんなもんかもねー。でもうちの自警団は他の学校よりもレベルが高いって噂なんだけどなー。でも梓ちゃんと灼熱くんは認めるほどの実力なんだ!」


「だから魔王じゃなくて魔王の息子だっての。つか、認めたわけじゃねー。あの中でって言ったらあの新入生は上の方だし、刀持ってるやつはあの中だったら1番だと言ってるだけだっての。なんかやなかんじはするけどなあの刀のやつは」


紅羽がどう嫌な感じをするのかと聞く前に実況担当のうたうがその声で遮り、紅羽は聞くのを辞めた。


「では、とりあえずチームリーダー同士で握手してもらいましょうかー」


そう言うと、華美そして梓がそれぞれ整列の隊から1歩踏み出し中央へと歩いて行く。


「まさか1年生の烈火灼熱くんをエキシビションに出すとは思いませんでした」


「1年同士の模擬戦に出すよりもこっちで実力を試した方がいいと判断した。当然だろ?」


「彼はルーキー戦にもエントリーしているので、くれぐれも無理はさせないようにお願いします」


「それは無論わかっている」


お互い一言二言話すと、手を差し出し「お願いします」と挨拶を交わした。

そして再び両チームの整列に加わる。


「それでは早速始めましょう!」


うたうの掛け声により、会場のボルテージが上がる。

そこら中からわぁぁぁと歓声がおこった。


「まずは東!生徒会からフェイステン第7位!!連夜猛副会長!!」


『ぉおおお!!』


「対するは西!自警団から昼間初音!!」


『ぉおおお!!』


対戦カード紹介だけなのにこの盛り上がりようの会場に、フェニックスは驚いていた。異世界でも自分の軍の士気を高める時は盛り上がるがこれほどではない。


「なんだかすげーなー!おい!」


「フーちゃんったら子供みたいにはしゃいでるね!」


「だって!見てみろよ!こんなに盛り上がってるの見たことないぜ!?」


「これから沢山みられるよ!でも、こんなに盛り上がるのはうたうさんの能力のおかげかもね!」


「そうなのか!」


フェニックスが会場の盛り上がりにテンションが高まっている頃、バトルフィールドでは猛と初音が向かい合っていた。桜色の髪をツインで結でいるその姿は元々の見た目からしても幼く見え高校生には思えない。しかし、それでもなおちゃんとした高校生であり、猛の幼馴染である。


「今日こそお前を倒してフェイステンになつてやるからな!猛ぅう!!」


「はいはい。で、お前あとどれ位でなれるんだ?」


「あと1歩!!」


「参考順位は?」


「十二位!!」


「あと2歩じゃねーか!!」


「ぐぬぬ……うるさい!ほんとは桁あと一つあるけど……見てろよ!ロケット頭突き!」


始めという合図の前に初音が自身の能力であるロケット噴射を利用した頭突きを繰り出す。


しかしそれを虚を突かれたとはいえ、冷静に対処した猛は、自身の能力︰身体能力倍増。を使い、薙ぎ払おうとする。


(初音だから2倍くらいでいいか。あいつ軽いしな)


猛は自身の左腕に能力をかけると腕が赤く発光し、突っ込んでくる初音に向かってその左腕を向け、思い切り振り出した。脇腹にもろに猛の左腕を受けた梓は、そのまま勢い良く場外へと吹っ飛んだ。


ドゴォオオンと言う音と共に初音は勢いよく壁に衝突しその瞬間、360度モニターにWIN 猛と表示され猛の勝利が決まった。


『うぉおおお!!』


一戦目が終わったことで更に会場のボルテージは上がる。


「あいつ容赦ねーな」


今の一戦を見てフェニックスが言う。


「うげば!ってあいつの攻撃を食らった時にあの女の子言ってたぞ」


「一応女の子なのに、うげばって……フーちゃんは女の子に優しい男の子に育つんだよ?」


「だからお前は俺のおふくろか!」

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