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3mmの時間  作者: 新々
37/38

37

 特別。

 そう思うだけで、なんというか心が膨らんだ。

 身体ごと浮いてしまうみたいに、こう、ふわっと。


「かわいい」


 ふと桃花がつぶやく。

「何が?」

「瑠美が」

「……暑さでどうにかなっちゃった?」

 あきれて寝返ろうとしたけど、そっと両手で顔を捕まえられて。

「ねえ、もう一回笑って」

「いや、別に笑ってないけど」

「うそ、今笑ってた」

「笑ってない」

「笑ってた」

 黙って見詰め合うこと数秒。

「じゃあ、笑わせてよ」

「いいよ。でも、後悔しないでよ」

 そういって、私の脇腹に手を伸ばしてくる。

 いわなきゃよかったなんて思っても後の祭り、私は笑うどころかなんども変な声を上げる羽目になった。


 こんなこと、生まれて初めてだった。

 こんなに友達とぶつかり合ったり、ふざけ合ったりするなんて、本当に今までなかった。別に友達がいなかったわけじゃない。でも、今まで自分から仲良くしようなんて思ったことなかったから。

 桃花にこうして出逢うまで。

 なんだか新しい自分に出逢えたようで嬉しくなる。

 嬉しくなったら、自然と頬も緩んでしまった。

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