エピローグ
これでもかというほど綺麗に咲き乱れている桜に、時の流れを感じる。
また春がやってきた。
太陽くんと別れてから、一年が経った。
夜に警察が家に来て、警告というものをされてから、あたしは一度も彼に連絡をしていない。
ただ好きだという気持ちだけで、突っ走っていた。よりを戻したくて、一緒にいたくて。
でもそれは太陽くんからすれば、ストーカーだったらしい。
あたしはストーカー。
現実的によく考えて、自分のヤバさにやっと気付いた。
もうこれ以上嫌われたくなくて、というかとにかく警察が怖くて、もう太陽くんと関わるのはやめようと思った。
まさか警察に相談されていたとは。
ショックだった。
でももしそこまでしてくれてなければ、あたしの目が覚めることはなかっただろう。
**
待ち合わせの二時まであと五分。
あの日と同じ駅前で、あたしはドキドキしながらスマホをいじっているふりをする。
「風香ちゃん……かな?」
あたしに近付き顔を覗き込んできたのは、太陽くんとは似ても似つかないイケメンだった。
一目惚れ、というのだろうか。
まだ彼のことを何も知らないけど、好きになれそうな気がする。いや、きっと好きになる。
「はい!」
満面の笑みで答えた。
今度こそ、絶対に幸せになってやる。
この人こそが、あたしの本当の、運命の王子様だ。
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