26/33
26話
ルナ視点
自宅に戻り、見境なく周りのものに当たり散らす。
しかし一向に悔しさが治らない。
なんとか早くあの女を排除しなければ取り返しが付かなくなる。
女性嫌いなお兄様が唯一私の事だけは側においてくれていたのに、それがただの従妹だったからだなんて、私の気持ちはどうしてくれるの? どうせあの女とは白い結婚で、別れた後なら周りも私の事を認めてくれやすくなると思って我慢してたのに、こうなったら手段は選んでいられないわ。
私はある男の事が頭に浮かんだ。ちょとばかり顔が良く、羽振りもいいから相手にしてあげたけれど、しょせんは平民、この私が本気になる訳無いじゃない。
あの男だったら私のいいなりになってくれる筈。今に見てなさいよお兄様を私から奪ったこと、必ず後悔させてやるんだから。




