24話
オリバー様のお母様である侯爵夫人は、シャーロットのお父様とは長いお付き合いらしく、そのお父様から『娘の友達なんだがまだ若いのにとっても才能のある子の作品なんだ』と言って、初めて買って頂いた絵を見せられたそうだ。
そして一目見て気に入り、だったら肖像画を描いてもらおうという話になったのだと、その時の経緯を話してくれた。
そして四人での楽しい会話の中で夫人が来月の王宮での舞踏会の話しを始めた。
すると旦那様が肩を落とされ話した。
「今だに社交界は苦手であまり気が進まないのでどうしょうかと思っていたところです」
それを聞いた夫人は旦那様を説得するように言う。
「貴方もいずれは侯爵位を継ぐ身なのだから、今のうちからきちんと顔を繋げておかないと。それに結婚したのだから奥方のお披露目もしなくてはなりませんよ」
そう論されていた。
聞いてはいたが、旦那様は社交界で、過去に余程嫌な思いをなさったのだなと思った。
だからそんな気持ちを打ち消す事が私の使命の様な気がして思わず口を挟んだ。
「私もご一緒しますから是非、参加してみませんか?」
すると旦那様はとても驚いた表情をなさった。
「君は嫌では無いのか?」
「いいえ、私なら大丈夫です! なんなら旦那様の盾になってみせますわ」
と強がってしまった。だって最低限の社交は元々結婚の時に約束していたのだから。
それを聞いていた夫人はにっこり微笑んだ。
「流石はメアリーちゃん、何かあったらいつでも力になるから何でも言って頂戴ね」
と心強いお言葉を頂いた。




