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2話
ハンドリー侯爵家の嫡男で一人息子のジオ・ベイリーは王都で宰相補佐をしていて現在二十三歳だ。
いずれは領地にいる父の後を継ぐがそれまではと、毎日忙しく働いている。
女性には全く興味がなく、たまに出る社交の場では見目麗しいので寄って来る令嬢達が沢山いるのだが一切相手にしない。
ただ幼馴染で従妹であるラナーク伯爵の娘ルナ・ハミルトンのことはたまにエスコートをしている。
ジオは初めて出た社交界で女性に囲まれた時に、余りにも冷たい態度、最もジオにとってはそれが普通なのだが、その時の態度が上位貴族のご令嬢のプライドを傷つけてしまい、その後、ある事ない事、噂を流されてしまいそれ以来社交界から遠のいていた。
そしていつしか女性とは只々面倒くさい存在でしかなくなってしまった。
よって、どうしても出席しなければいけない社交以外は全て断っていた。




