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第68話→親玉、よくあるパターン。

やばひ・・・・・・何も思いつかないww                  どーしましょww



それを言葉で表すとしたら、ガサゴソ、などといった生ぬるいものでなく、ブワッだろう。



そう。まるで水が湧き出るように、ブワッと奴らが湧いてきたのだ。



「ギャァァァァア!!ヘルプッ!!これ無理だってば!!」



本能的なものでギリギリ後ろに飛び退くことができた俺は、全力ダッシュで走る。



「ちょっ!!こっち来んなアホ!!」



「・・・・大人しく殺られろ」



後ろに黒い波を引きつれている俺を見た純と旅人は、我先にと玄関へ走る。



二人ともさすがにこいつらは手に負えないらしいな。


「糞虫!!二階には美味しそうな女の子がいるからそっちに行けぇ!!」



俺も急いで玄関に向かいながら、そんなことを言ってみた。



いやぁ、人間、やっぱり我が身が大事だよね。



生け贄、生け贄っと。



きっと奴らも、むさ苦しい野郎より女の子のがいいはず・・・・・・ん?・・・・・・あれ?



「おぃぃい!!何でこっち来るんだよッ!!」



奴らは、二階に上がる素振りすら見せずに、俺たちの方へ向かってきた。



「お前が巣に殺虫剤をブチかましたからだろうが!」


「うるせぇ!!あの時の俺の気持ちを察しろよ!ああする以外の方法があったのか?!」



「・・・・・・お先に」



俺と旅人が言い争いながら玄関でもたついている間に、純は玄関を飛び出した。


「ちょっとま・・・・・へ?」



慌てるあまり、旅人が無残にも転倒してしまった。



「・・・・・・・御愁傷様」



俺はそう言い残して、純の後を追い掛けた。



「ちょっ!!こっちくるんじゃねぇ!・・・・・・やめ、それ以上近づいたらこの殺虫剤で・・・・おい、なんで効いてないん・・・・・ギャァァァァア!!」



そんな旅人の断末魔が聞こえてきたのは、それからすぐのことであった。






☆☆☆☆






「なぁ、アレ、なんなんだよマジで」



奴らから逃げるために、俺と純は神社に向かっていた。



純曰く、あの黒い悪魔たちからは、微力ながら妖気のようなものを感じるらしい。



とりあえず、純の親父さんに相談することにした。



しかし奴ら・・・・・。



「・・・巧いな」



純が感嘆したように呟く。


そう、奴らは隠れるのがとっても巧いのだ。



一般の人から見えないように、巧みに隠れて俺と純の後ろを追っている。



家にはあとどれくらい残っているのか・・・・。



チラッと思っただけで鳥肌が立ってしまう。



「よし、俺はここで時間を稼ぐ。義秋は聞いてこい」


俺は、そんな死亡フラグバリバリな台詞を吐いた純の言葉に一つ頷くと、一気に神社の階段を駆け上がった。






☆☆☆☆






「純、これを」



7分ジャスト。



全力で戻ってきた俺は、数枚の札を純に渡した。



純の親父さん曰く、奴らは、世間で殺され続けたゴキ○リの霊。



なんで家に現われたのかというと、まさに“偶然”だったらしい。



まったく、誰だよ毎度毎度厄介ごとを持ち込んでくる奴は。



俺は多少の苛立ちを込めながら、ウジャウジャと湧いている奴らを、お札で清め始めた。



純の親父さんが言うには、親玉となっているジャイアントゴキ、略してJGを倒せばこの湧き続ける奴らは消え去るらしいんだが・・・・。



なんともめんどくさい。



ソッとため息を吐きながら、俺はJGの住みかである俺の家の冷蔵庫の下へ急いだ。

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