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第65話→過去話、出会いは偶然の産物。

とりあえず過去話を・・・・グダグダですけどねw



「よっす。まさか同じ高校だとはな」



高校の入学式の日。



俺がクラス分けの紙を見ていると、後ろから声がかかった。



「おはよう、旅人と純。・・・・旅人、まさか、とか言ってるけど、この付近の高校はここしかないんだから一緒になるのは当たり前だろうが」



俺がため息をつきながらそう言ってやると、「そうだな」と照れたような感じで頬を掻く旅人。



「ふぅ・・・・ゲームのやり過ぎで、とうとう頭もおかしくなったか」



その横では、純もヤレヤレといった感じでため息をついている。



「う、うるせーな!」



それに旅人が反応して、俺と旅人の頭を叩く。



そんな、いつもと同じようなやりとり。



中学からの友達であるこの二人とは、やはり何か切れない縁があるらしいな。



楽しいから、別にいいけどさ。



「ほら、旅人。教室行くぞ。純も、な」



「まて義秋。俺はまだクラス表見てねぇから・・・・・・っておい!二人とも先に行くなっての!」



後ろから慌てたように追い掛けてくる旅人。



純は俺が言いたかったことに気付いたらしいな。



「また、同じクラスか」



そう言って苦笑する純も、俺と同じくどこか楽しそうだった。



まぁ、確かに。純と旅人と会う前の生活は、平和すぎて全然楽しくなかったからな。



この二人に会わせてくれた神様には、本当に感謝している。



絶対口には出さないけど、な。






☆☆☆☆






「・・・・おい、義秋。まだ入学式も終わってないんだ。我慢しろ」



ある一点を睨んでいる俺に、旅人が警告をしてくる。


確かに今、問題を起こせば入学早々停学、もしくは退学になりかねないが。



「助けれるのに、助けるなって言いたいのか?」



俺は視線を旅人に移し、再び睨む。



「おい義秋。俺はお前のことを思って言ってんだぞ」


旅人も、負けじと俺を睨む。



「おい二人とも止めろ。他のクラスメイトが恐がっている」



純の言葉に反論しようと口を開きかけるが、なんとか自重した。



「言っとくけど、次何かあったら・・・・」



「わかってるよ。その時は加勢してやるさ」



ニヤッと笑う純も、どうやら我慢ならなかったらしい。



「・・・・俺も、手伝ってやる」



旅人はボソッと呟き正面を見るが、声色とは違い、とても楽しそうな表情をしていた。



俺たち三人の視線の先にいる女の子を初めて見たのは、約数十分前のことだった。






☆☆☆☆






「義秋、アレ見ろよ」



入学式のために体育館へ向かう途中、旅人が言った方を見てみると、一人の女の子が数人の男子生徒に絡まれていた。



その女の子には見覚えがあり、確か名前は・・・・・橘・・・・り、りりりり・・・・・・・忘れた。



まぁ、いいか。名前なんて。



とりあえず同じクラスの女子だということはわかった。



「・・・助けるか?」



純の一言に俺は頷き、その集団に近づいていくと、何か罵りあいみたいなことをしていた。



「だからぁ、一発だけでいいから。な?な?その長い足綺麗な足見てたらたまらなくなってさ」



「イヒヒ。よっちゃん足フェチだからなぁ。ねぇ、君。黙ってないでなんとか言いなよ」



「・・・・・・・るさい」


「・・・・あぁ?」



「うるさいって言ってるんだ!私は、そんなことは絶対にしない!」



そんなやりとりを見ていた俺たちは、ただただ苦笑いをしていた。



この状況で、あんなこと言うなんて・・・・・。



「何だコイツ!調子に乗るなよ!」



男子生徒の人数は5人。



一人の男子生徒が、女の子に向かって突進して・・・・・・・・・撃沈した。



思わず旅人が口笛を吹いてしまったのも納得できるくらいの蹴りだった。



まるで、その男子生徒の顔に吸い込まれるように見事に決まった蹴りは、たぶん俺たちでも一撃で沈んでいただろう。



「・・・・・・失礼する」


女子生徒は、そう言い残して颯爽と歩いていった。



残された男子生徒たちは、次は武器を使おうだの、薬を打ち込もうだの、聞いててむかつくようなことばかりを話し合っている。



俺が制裁を与えようと足を踏み出すと、純が俺の肩を掴み引き止めた。



「今は我慢しろ。現行犯でないと、完全に俺たちが悪役だ」



その一言に渋々頷いた俺は、ため息とともに体育館へ向かうのだった。

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