第58話→突然の来訪者。
「っと!その話、待ったぁぁぁぁあ!」
俺と夏那華が何を使ってゲームをやろうか考えていると、不意に部屋のドアが勢いよく開かれた。
「あっきー。私も混ぜてもらえるよね?」
その人物は、そう言ってズカズカと俺の部屋に入ってきた。
「和月先輩・・・・なんで家〈うち〉にいるんですか?」
俺の質問に答えたのは、和月先輩でなく夏那華。
「そういえば、今日みんなでお泊り会をする予定だったんだ」
・・・・・はぃ?何だ、それ。
「俺、何も聞いてないんですけど」
「・・・・部屋に閉じこもって、人の話を聞いてなかったのが悪い。義秋、下に降りてきても、自分の用を済ませたらすぐに部屋に戻ってたし。・・・・・話すタイミングがなかったんだよ」
「・・・・・・・・・」
くそ・・・誰がどう聞いても俺が悪いよな。
俺が何も言い返せないのを確認して、夏那華は和月先輩に視線を向けた。
「でも、悪いけどこのゲームに和月は参加しちゃダメ」
「・・・なんで?」
「だって・・・義秋と、二人きりでやるから意味があるのに」
夏那華、それは一体どういうことなんだ?
二人でやるから意味があるだって?・・・・・ゲームは大人数でやった方が楽しいような。
「なぁ、夏那華。別に俺は構わんが」
俺がそう言うと、夏那華は、にやりと笑いながらため息をつくという器用なことをやってみせた。
「義秋。・・・・・・人数が増えれば増えるほど、イカサマは成功しにくいんじゃないかな?」
「ッッ!?・・・・・・・・・ばれてたのか?」
俺の言葉に首を縦に振る夏那華。
どうやら、俺の企みは少なからずバレていたようだ。
まぁ、どうやってイカサマをするかまではわかっていないと思うが。
しかし、今回の王さまゲームは負けるわけにはいかんのだ。
俺の大事なもの(ゲームのデータ)の為にも、な。
「まぁ、とりあえず。今回、和月先輩は不参加ってことで。ごめんなさい」
俺は勝率を上げるため、和月先輩に一言謝罪する。
「というわけで、和月は下に降りて他の人たちとでも遊んでおけば?」
「ぐぅ・・・・・・2対1じゃ分が悪いかな。さすがに」
和月先輩はそう言うと、携帯電話を取り出してポチポチと何かを打ちはじめた。
どうやら、誰かにメールでも送るつもりらしいが。
「ッ!!義秋、和月を止めて!援軍が呼ばれるよ!」
援軍?・・・・・・それってまさか。
「ストォーップ!!何してるんすか!!」
俺は和月先輩の携帯を取り上げようと体を動かす、が。
「残念だったね。もう少し早く反応してくれなくちゃ」
和月先輩の手に握られている携帯の画面には、送信完了の文字が。
呆然とする間もなく、階段をかけてくるような音が。
「お兄ちゃん!?夏那華ちゃんにえっちなことしようとしたってどういうことなのかな!!」
な、なんだと?・・・・俺はそんなことした覚えなんて・・・。
俺は、小学生くらいの子なら見た瞬間泣きだしそうなくらい怖い顔をしている苺から視線を逸らし、和月先輩を睨む。
「てっへへー」
本気で謝る気があるのか。和月先輩は、舌をペロッと出しながら頭を2、3度下げた。
この先輩は・・・・そんなんで許してもらえると思ってんのか?
確かに、一人だけ参加させないみたいなこと言った俺たちも悪いけどさ。
そのせいで、俺の命が危ういんだよ。冗談抜きで。
「ご主人様・・・・たまっているのなら、ぼくが色々としてあげますから、他の子に手を出さないでくださいっ!」
「よしにぃは、私のものなのに・・・・・」
次にやってきたのはルシフと蜜柑。
蜜柑がとんでもないヤンデレ発言をしたことはスルーしておこう。
こうして、和月先輩のメールにより次々と俺の部屋に人が集まりつつあった。
これ、どうやって収集つけんのかな?
そんなことを思いながら、ただただ呆然とする俺なのであった。
やっぱgdgdになっちゃうよな〜。 まぁ、仕方ないかw




