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第48話→本当の敵。

注:文がグダグダになってる・・・気がします。    言い訳をするなら、バイトの疲れががががが・・・・・・いや、自分の文才がないだけですね。すんません。



「ッッ!?」



蒼樹は、反射的に目を瞑る。



しかし、感じたのは痛みではなく、頭を撫でられる感覚。



「・・・・・・ぇ?」



蒼樹は、目に涙をためながら疑問の声をもらす。



「・・・・・貴方は、両親を殺されて平気なのですか?」



黒次はそんな俺を見て、ただ呆れたように呟く。



「・・・・・和月先輩の両親を殺しといて、よく言えるな」



俺は黒次を睨む。



黒次は、ギリッと歯をくいしばりながら、何かに耐えるように拳を握る。



「そんなこと、今は関係ない。わたくしは、貴方が両親を殺されてどう思ったかを聞きたいんです」



黒次は話を逸らすように、俺に再び質問する。



「どう思ったか?・・・・・・・・・決まってる。悲しいに決まってんだろ!!悔しいに決まってんだろ!!そんな、当たり前のこと聞くな!」



「ならばなぜ、蒼樹を殺さないんですか?憎いでしょう?」



「あぁ、憎いさ」



本当は、今すぐにでも蒼樹を殴りたい。



「ならば、なぜ・・・・」


父さんと母さんの死は、少なからず蒼樹のせいだろう。



でもよく考えてみろ。



父さんと母さんが死ななかったら、苺や蜜柑と出会えたか?



否。



迷惑だとは思うが、嫌いではない。あの二人の笑顔は、大好きだ。



お陰って言うのもなんだけど、両親が死んでくれたお陰で“今”があるなら、その切っ掛けを作ってくれた蒼樹を恨むなんて出来るわけないだろ?



それに・・・・・・うん。


どうやら、俺は根っからのオタクみたいだ。



「理由は単純明解・・・・」



そう、最初から理由は決まっていたのだ。



両親の死なんて、とっくにけじめは着いていた。



そんな過去のことより、楽しい未来を願う。



もう、両親の為に流す涙なんかないさ。



薄情と罵られてもいい。親不孝と言われてもまったく構わない。



「・・・・単純明解、ですか」



「あぁ・・・・・・目の前に、泣いている美少女がいる。それを、誰が殺したり、恨んだりできるんだ?・・・・・な?単純明解な答え、だろ?」



黒次は、何を言ってるんだコイツは、的な目で俺を見てきた。



「それに・・・・蒼樹はたぶん、ずっとずっと苦しんでたと思う。自分のせいで人が死んでしまったと、自分が、一つの家族を壊してしまったと。・・・・だから、俺は許す。・・・・・・・・・蒼樹はきっと、自己嫌悪の中で、もう十分すぎるくらい罪を償った。そうだろ?」



俺がそう語りかけると、蒼樹はフルフルと首を横に振った。



「そう、じゅは・・・人を殺した・・・・蒼樹が願ったせいで・・・・・義秋のお父さんも、お母さんも、死んだ・・・・・・蒼樹のせいで・・・・・っ!?」


自分を責め続ける蒼樹に、俺は思わずデコピンをした。



「バカかお前は。俺が許すって言ってんだから、もう自分を責めるなよ」



「で、でもっ!」



「それに・・・・黒次は気づいているんだろう?本当は、蒼樹が犯人じゃないって」



俺がそう言うと、黒次はお手上げとばかりに両手を上げる。



「・・・・よく、気付きましたね」



気付いたのはついさっき。


黒次の影で、昔の記憶が戻った時、両親の死を思い出して、ふと疑問に思ったのだ。家族で何度かこの場所に遊びにきているし、蒼樹が何かを願うのはその時が初めてじゃなかった。



しかし、今までは偶にしか願いは叶わず、全てが叶ったわけではない。



叶う願いと叶わない願いの違いは何か?



たぶんだが、蒼樹の願いというのは、他者が蒼樹に責任を擦り付けて、本当はそいつ自身の願いを叶えている。



何かの目的の為に、都合がいい願いだけを叶えて、都合が悪い願いは叶えないようにしてたのではないか。


そう思い、黒次にかまをかけてみたのだが、どうやら俺の予想は当たっていたようだ。



「・・・・・で、お前がここに来たことと、何か関係あるのか?」



「はい。それはもちろん」


黒次は、顔を隠すように黒いシルクハットを深くかぶりなおす。



「それに、貴方を試したかったのです。怒りに我を忘れて、真実を見極めれないなんてことがないように」


「・・・・記憶の中で、父さんも同じようなことを言ってたな」



俺の頭の中で、父さんの言葉が再生される。



俺を護るために、体のいたるところから血を流しながら残した、父としての最後の言葉。



『真実を、見極めろ』



きっと父さんは、俺が間違っても蒼樹を恨まないように、その言葉を残したのだろう。



「さて、蒼樹。そろそろ起こしてくれないかい?こちらの準備は整った。あとは、パーティーに招かれるだけ」



「・・・・・・蒼樹は、何を?」



黒次の言葉に、蒼樹は涙を拭きながら首を傾げる。



「いるんだろう?ウリエルの奴が」



ウリエル、という言葉を聞いた途端、蒼樹は大きく身を震わせた。



「神の炎の称号を与えられながらも、己の欲に走り、堕ちてしまった“元”大天使。さぁ、呼んでくれ。少しでも、人殺しの罪を払拭したいと思うなら」



蒼樹は身を震わせながらも、ゆっくりと言葉を紡ぐ。


「蒼樹は、自分の罪を払拭したいなんて思わない。・・・・・・けど、本当にウリエル様が義秋の両親を殺したのなら・・・・」



キッと黒次を睨みながら、蒼樹は自分の気持ちを伝える。



一人ぼっちの精霊だった自分に、優しさを、感情を、思い出を、沢山沢山くれた義秋とその両親。



そんな家族が欲しいと願ったばっかりに・・・なんて思っていたけど、もしそれが違うのなら。



ウリエル様に、せめて一言義秋に謝ってほしい。



強がっているけど、義秋はきっと、両親の死を思い出してとても悲しんでいるはずだから。



このままだと、きっと義秋は笑えなくなる。楽しいと思えなくなる。



罪は蒼樹が受けても構わない。



・・・・まぁ、地獄の支配者であるウリエル様を裁ける者などいないのだけど。


でも、少しでも罪滅ぼしが出来るのなら、少しでも、義秋の心が癒えるのなら・・・。



だから、言葉を口にする。


「我が主、ウリエル様・・・・どうか、我の前にその姿を現されたし・・・第400番、蒼の精霊の名において」



蒼樹が言葉を紡ぎ終わると、風も吹いてないのに木々が揺らめき、とても嫌な感じのものがこちらに近づいてくるのがわかった。



俺は思わず眉をしかめながらも、空を見上げる。



俺と蒼樹と黒次、沢山の木々を照らしていた月明かりが、突然、その姿を雲の中に隠した。



まるで、これから来るものを拒むかのように。




次は・・・次こそはグダグダにならないように頑張る!!・・・・・・たぶんw

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