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【超訳】小倉百人一首   ~百の彩り 百の想い~  作者: 桜井今日子
さあ本編 まず飛鳥から 平安初期 月を眺めて 景色を愛でて
6/110

004 富士はニッポン一の山

4 田子の浦に うち出でてみれば 白妙の 富士の高嶺に 雪は降りつつ

 たごのうらに うちいでてみれば しろた()の ふじのたかねに ゆきはふりつつ


【分類】冬


【超訳】 マジヤバいんだけど! チョー綺麗じゃね? 

 ちょ、今さ、田子の浦ってトコに来てんだけどさ――、富士山に雪が積もっててチョー綺麗じゃね? 今も雪降っててマジヤバいんだけど!!


【詠み人】山部赤人やまべのあかひと

 奈良時代の天皇に仕えた歌人。柿本人麻呂かきのもとのひとまろとならぶ有名な歌人で三十六歌仙のひとり。天皇に従い各地を旅しながら、自然を詠んだ優れた和歌を数々残した。この歌は天皇のお供をして駿河の国を旅したときに「帝にお見せできるような和歌を作れ」と随行の人に言われて作ったもの。


【決まり字】 たご(2)


【雑感】ごめんなさい。ものすごくチャラく訳してしまいました。でもこういうことなんじゃないでしょうか? 富士山の美しさはきっと今も昔も変わらない。初めて見たときの感動も恐らく今も昔も変わらない。富士山が遠い(見ることのできない)地方の人間からすれば、その感動たるやひとしおでしょう。写真や映像で見たことのある現代のワタシでも実物の富士山には感動しました。それが写真や映像がなく(絵はあったのかな?)、話にだけ聞いていた壮麗な富士山を見たら、そりゃ感動しますよね。歌だっていくらでも詠めてしまいそう。荘厳にして優麗。あのシルエットにはなんだか手を合わせたくなるような気がします。神様がいらっしゃるとも思えてしまう。実際にも富士山を信仰・崇拝の対象としている神社もあることですしね。

 そうそう、「富士山以西の受験生が関東の大学に受験に行くときに新幹線から富士山を見ると落ちる」というジンクスがあるのをご存知ですか? (今はどうなのでしょう?)ワタシが初めて富士山を見たのはこのときでした。知らなかったのです、そのジンクスを。口をあんぐり開けて「キレ―」と感動しました。ええ、見事に落ちました。翌年、静岡県内を走る新幹線の中で固く目を閉じて東京へ向かいました。受かりました。

 やっぱり富士は日本一の山。日本人の心。いつまでも変わらず美しくあってほしいですよね。いつまでも。


♪次回予告

005 ため息つくと……

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