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【超訳】小倉百人一首   ~百の彩り 百の想い~  作者: 桜井今日子
さあ本編 まず飛鳥から 平安初期 月を眺めて 景色を愛でて
5/110

003 秘めたる想いこそ誠なり

3 あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の ながながし夜を ひとりかも寝む

 あしびきの やまどりの()の しだり()の ながながしよを ひとりかもね()


【分類】恋(男子・悲恋)


【超訳】 好きなのになぁ。チョー好きなのになぁ。

 キミのことがこんなに好きなのに、キミは天皇にお仕えしていて告れないし、つきあえないし。山鳥みたいにキミを想いながらひとり寝るのはキッツいよなぁ――。

 

【詠み人】柿本人麻呂かきのもとのひとまろ

 持統天皇などに仕えた宮廷歌人。生没年や詳しい官位などは伝わっていない。宮廷歌人として天皇を称える歌や挽歌(亡くなった人を悼む和歌)や相聞歌そうもんか(互いにやりとりをする和歌)など各種の和歌に通じた。「三十六歌仙《※》」のひとりに挙げられる。


※ 三十六歌仙 平安時代の和歌の名人36人の総称


【決まり字】 あし(2)


【雑感】超のつく有名歌人です。古文にも登場しますし、日本史にも出てきますか? 三十六歌仙にも選ばれている日本を代表する歌人でしょう。

 かるたを楽しんでいた子供のころは、妙に語呂がいいというか、リズムがいいのか、すんなりと頭に入った和歌でしたが、こんな切ない恋のウタだったのですね。

 好きなのに告白できない。告白できないから付き合えない。だから今日も俺はひとりで寂しく寝るしかねぇのかよ、といったところでしょうか。秘めたる想いこそ誠なりともいいますもんね。こんな風に想われた女性は一体どんな方だったのかしら? 

♪次回予告

004 富士はニッポン一の山

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