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【超訳】小倉百人一首   ~百の彩り 百の想い~  作者: 桜井今日子
折り返し 平安時代 全盛期 咲き誇るのは 恋花ばかり?
47/110

043 恋はジェットコースター?

43 逢ひみての 後の心に くらぶれば 昔は物を 思はざりけり

 あ()みての のちのこころに くらぶれば むかしはものを おもはざりけり


【分類】恋 (男子・ラブラブ)


【超訳】うまくいってもツライよな

キミと一夜を過ごしたあとのこの恋しい気持ちに比べれば、片思いのツラさなんてなんてことなかったよ。


【詠み人】権中納言敦忠ごんのちゅうなごんあつただ

藤原敦忠。母は在原業平ありわらのなりひら(17)の孫。右近(38)との恋が「大和物語」に描かれている。


【決まり字】あひ(2)


【雑感】この方が「わすらるる~」を詠った右近サマ(38)の恨みを買った方です。「いいのよ? 私は忘れられたって。けれどね、あなたに天罰がくだるんじゃないの? いいわけ?」とまるで呪いのような歌を受け取った方です。この敦忠サマ38歳で亡くなっています。呪いのせいなのかどうかは謎ですけれどね。

 で、この歌はその右近サマに贈った歌だとか。もちろん時系列としてこちらの歌が先で「わすらるる~」があとですよね。


 やたら盛り上がっているではないですか。やっとのことでうまくいったのに、うまくいったらいったで恋しすぎて悩みはつきないよ。それに比べれば片思いのつらさなんて、どうってことなかったよな、ということでしょうか。恋しくて恋しくてたまらない、この想いはどうすればいいんだ。酔ってますねぇ。だから冷めちゃうのよ。だから恨みだって買っちゃうのよ。呪われちゃうのよ。この方も恋多き貴公子だったのですって。

 そんなに好きなんだったら、大切に大切に愛してあげればいいのに。一生キミだけだよ、ってお得意の和歌であま~く囁いてあげればいいのに。恋は多ければいいってもんじゃない。深く一途なのが理想と思うのは私が現代人だからなのかしら?

 盛り上がっては盛り下がる。また盛り上がって、盛り上がって、落ちる。カレの恋愛はまるでジェットコースター。付き合わされる女性はたまったもんじゃないわ。けれどもカノジョ側も右近サマのようなジェットコースタータイプの方なら、ふたりで盛り上がって楽しいのかも? ……ね? 一時は。

♪次回予告

044 今も昔も悩みは同じ?

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