表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【超訳】小倉百人一首   ~百の彩り 百の想い~  作者: 桜井今日子
さあ本編 まず飛鳥から 平安初期 月を眺めて 景色を愛でて
21/110

019 好きの尺度

19 難波潟 短き蘆の 節の間も 逢はでこの世を 過ぐしてよとや

 なに()がた みじかきあしの ふしのまも あ()でこのよを すぐしてよとや


【分類】恋 (女子・悲恋)


【超訳】ほんとに終わりなの? 

ほんの少しの時間だって逢えたらいいの。それなのに「もう会えない」なんて手紙だけで終わりなの? このままあなたなしで生きていけって、そう言うわけ? 


【詠み人】伊勢

伊勢守・藤原継蔭の娘で宇多天皇の后に仕える女官。のちに天皇の寵愛を受けて御息所みやすんどころ(天皇の子どもを産んだ人)となる。三十六歌仙のひとり。


【決まり字】なにはが(4)


【雑感】「たとえ会える時間が5分だとわかっていても、1時間かけてその人に会いに行く?」なんてガールズトークを昔しました。相手が大好きな人なら行きますよね。1時間どころか1日だって、どれだけかかっても大好きな人に会えるなら会いたいのが乙女心ですよね。それが「え? 5分しか会えないの? 1時間もかけて行くのに? だったら別の日にしよっか?」なんて思う場合もあるでしょう。大抵はこちらのパターンかも。

 お互いが同じ感覚ならうまくいく。それが恋愛でも友情でも。5分しか会えないけど1時間かけて会いに行きたいってお互いが思っていれば想いの尺度は同じということでしょう。そっか、じゃ別の日にしよっか? とお互いが考える。それだって想いの尺度は同じでうまくいく関係だと思います。やっかいなのはお互いの思っている尺度が違うとき。これが人間関係をフクザツにさせるんでしょうね。今も昔も。

 この伊勢さま、ずいぶんと恋多き女性だったようです。この歌は最初の恋人のそっけない手紙に返した歌だそうです。ほんの少しでいいのよ、そんな時間も割いてくれないの? 私のことはもう好きじゃないの? 

 こういう方ってその時その時はその人を全力で好きになるのかしら。全力で好きになって、全力で落ち込んで、また次の人を全力で……。羨ましいような気もするけれど、気づかれしそうでタイヘンそう……。

 この伊勢さま、宇多天皇のお妃さまに仕えていた女房でしたが、天皇の寵愛を受けることになって子供を産みます。その後はその天皇の息子(自分が産んだ子ではない)とも交際し子供を産みます。勤め先のダンナさんのアイジンになって子供を産んで、そのダンナの息子とも付き合って……。現代感覚ではとても理解が追いつかない生涯を送られた方です。容貌も心情も美しい女性だと伝えられています。見た目も素敵で性格も美人。まぁ、おモテになったんでしょうね。

♪次回予告

020 ホントに命がけ?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ